202207
Friday
という訳で、7月1日は「ウォークマンの日」です。
[α7iii,50mm F2.8 Macro,1/25,F2.8,iso1600]
まぁ、1年365日、世界は必ず何かしらの記念日にあたっている訳で、日本国内でも「函館港開港記念日」「びわ湖の日」「テレビ時代劇の日」「山形新幹線開業記念日」などなどあるようです。
[α7iii,50mm F2.8 Macro,1/25,F2.8,iso1600]
そんな盛りだくさんの7月1日ですが、ウォークマンの初号機であるTPS-L2は今から43年前の7月1日に誕生しました。
[α7iii,50mm F2.8 Macro,1/15,F2.8,iso1600]
以来、音楽メディアがカセットテープからCDになっても、DATが登場してもMDが登場してもメモリースティックが登場してもウォークマンは変わらずウォークマンでした。
(それ以外にも、ビデオウォークマンとかDVDウォークマンなんてのもありました)
[α7iii,50mm F2.8 Macro,1/30,F2.8,iso1600]
記録方式がアナログからデジタルになろうとさらにハイレゾになろうと、メディアが姿を消して音楽ファイルに変わってもウォークマンは変わらずウォークマンです。
現在、DATの録音データを音楽ファイル化してウォークマンに絶賛取込中です。
[α7iii,50mm F2.8 Macro,1/50,F2.8,iso500]
内臓HDDやマイクロSDに記録した音楽ファイルを再生するだけでなく、ストリーミング再生が主流になってもウォークマンはウォークマンです。
"ストリーミング Walkman"です。
[α7iii,50mm F2.8 Macro,1/40,F2.8,iso640]
写真は私の愛機であるNW-ZX507です。
音楽がメディアを脱してからはしばらくの間「ネットワークウォークマン」なんて呼称がありました。
今は、カセットテープやCD、MDではなく、こちらのタイプが「ウォークマン」の主流です。
でも、再生画面にカセットテープが回っている姿を映すなんていう気の利かせようは「It's a Sony」です。
一時は、ウォークマンから市場の座を奪ったAppleのiPodが2022年5月に生産を終えました。
わざわざ音楽を聴くためだけの専用機は不要で、iPhoneにその機能を集約したということなんでしょう。
ウォークマンはこれからもウォークマンとして歩みを続けるようです。
私もここ数年オーディオ熱が再燃しており、春にはスピーカー、最近はアンプを新調しました。
いずれもSONY製品ではありません。
しかし、音楽再生機からはこのウォークマンが外れることはないかと思っています。
こちらは、ウォークマンが生産され続ける限り「生涯SONY」「生涯ウォークマン」を貫く所存です。
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202112
Saturday
さて、12月ですね。
「もう12月」「まだ12月」どっちでしょう。
そんなことを言っているうちに早や3日も経過してしまいました。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/60,F2.8,iso1250]
さて、再燃しています。
なかなかの炎です。
燃え上っています。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/60,F2.8,iso500]
2013年、2020年に続いてのこのコーナー(?)です。
とにかく、私のオーディオに関する"SONY遍歴"については、もう少し「DAT(=Digital Audio Tape)」に関連して展開しそうです。
DATとは、1980年代後半に規格され、1990年代には一定の普及をしたものの2000年代の序盤に姿を消すこととなったデジタル録音・再生が可能なテープメディアです。
コンパクトカセット --- なんて言っても、若い方はご存知ないかもしれませんが --- の約1/2のサイズながら、CDと同等もしくはそれ以上の音質を誇るメディアでした。
今のようにCDの複製が容易ではなく、ハイレゾの音楽ファイルをインターネット経由でダウンロードしDAP(Digital Audio Player)に取り込んで再生するような時代ではありません。
それでも、従来のアナログ録音とは異なり、光ファイバーケーブル等を用いた、理論上の音質劣化のない"デジタル録音"が可能となったことはインパクトがありました。
結果、レコード業界から「CDが売れなくなる」との反発が起き、紆余曲折の末「SCMS規格」によってデジタル録音を"制限"することでようやく市場にお目見えすることとなりました。
1991年のDTC-1500ES、1993年のDTC-2000ES、1995年のDTC-ZA5ES。
バブル景気も去り、それまで各メーカーが毎年秋の頃に繰り返していた贅沢で豪華なマイナーチェンジも影を潜めるようになりました。
それでも、DATの開発メーカーであるSONYからはその時々の"フラッグシップ機" --- または、それに準じる機器 --- がラインナップされていました。
DTC-1500ES、2000ES。
持ってみたかったですね。
2017年の「It's a SONY展」で実物を拝んだきりです。
そんなDATですが、MD(=Mini Disc)の登場や、それに続くDAPの普及による煽りを受け、2005年に機器の生産・出荷を終了し、2015年にはテープの製造も終了に至っています。
その間、デジタルサウンドの品質に関しても、"ハイレゾ"という言葉が浸透しているように、人間の聴覚の性能を超えるスペックが一般化しています。
私自身もDAPとしての「ウォークマン」を所有し、"ハイレゾ"音源を楽しむに至っています。
だからと言って、DATの性能や品質が落ちた訳ではありません。
かと言って、既に機械もテープも生産を終了しているDATを持ち続けることは、ある意味先が見えていることです。
私の手元には、"高品位"なDATテープが約200本残っています。
2020年の記事では、DATテープを再生することに主眼を置いていますが、この当時から歴として課題だったのが「DATテープのバックアップ」ということでした。
この課題を解決できる行動に身を移そうとすることはずいぶん前から想定していましたが、具体化したのはこの1〜2ケ月です。
当初は、DATテープのほとんどがデジタル録音のため、SCMS規格も踏まえてRCA→USBケーブルを用いたアナログ接続でPCへの録音を試みました。
ところが、録音データをウォークマンに転送して再生してみたところ、どうにも聴くに堪えない音になっていました。
ならばと、PCのHDDに録音したデータを、PCのLINE出力(ヘッドフォン出力)で再生してみましたが、満足の行く音ではありませんでした。
これは、HDDからウォークマンへ転送する際の伝送方法云々ではなく、録音データそのものがよろしくないという結論を示していました。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/60,F2,iso500]
結果、導入したのが、TEACのハイレゾ・マスターレコーダー・SD-500HRです。
(下段がDATデッキのDTC-A8。上段がマスターレコーダーのSD-500HR)
予算的なこともあるので極力安く済ませようなんて思っていたんですが、結果、いちばん高い買い物を選択することになってしまったんじゃないかと思っています。
「SONYじゃないんかい!」というツッコミも聞こえそうですが、今回の目的は、あくまでDATの音源を"忠実にバックアップする"ことです。
SONYのリニアPCMレコーダーを導入するという選択肢もあったんですが、器は大きく構えようと…。
スペックに関しては、DSDで5.6MHzまたはPCMで192kHz/24bitのハイレゾ録音が可能ということで、その点からすればさほど高い買い物ではなかったと理解しています。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/160,F2,iso1250]
当初はSCMS規格を考慮しアナログ接続での録音を想定していたので、アナログケーブルも高品位なものを用意しました。
こんなゴムホースみたいな太っといケーブルなんて初めて買いました。
が、結局のところ録音については同軸デジタル接続によるデジタル録音をしています。
「しています」と言いますか、私的には「できてしまっています」という感じです。
これは、CDからデジタル録音(44.1kHz、16bit)したテープから、さらにデジタルでの録音 --- 第2世代 --- ができているということです。
内臓のサンプリングレートコンバーターを起動するとこのようなことができてしまいます。
サンプリングレートについては44.1kHz、ビット深度については16bitのままですが、
SCMS規格はどうなったんでしょうか…。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/80,F2.8,iso1250]
録音データには、トラックごとにタイトルを付けることができます。
これは本体のジョグダイヤルでも可能ですが、USB経由でワイヤレスキーボードを使用することが可能でありがたいです。
ちなみに、タイトルに使用できる文字は英数と一部の記号のみです。
MDにタイトル入力していたことを思い出しました。
また、1回の録音でテープ1本分を一気に録音しています。
その後、曲ごとに分割する作業を経て、トラックネームを付けています。
このあたり、分割のポイントを決定する作業などはDATやMDと同様、結構アナログな作業です。
そして楽しい作業です。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/160,F2.8,iso1250]
録音データが一定時間を過ぎると、データが分割されて記録されるようになります。
その場合、パソコンで専用ソフトを用いて「COMBINE」という作業をすることになります。
このあたり、SD-500HRは記録メディアがCFカードまたはSDカードまたはUSBメモリーなので、メディアをパソコンに挿すだけで編集作業やウォークマンへの転送が簡単にできます。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/80,F2.8,iso1250]
CFカードとDATテープです。
現在、約200本のテープのうち10本程度の"バックアップ"が完了しています。
CFカード(64GB)には、46分テープ約100本分が録音できると見込んでいます。
CFカードについてもこだわりました。
当初はSDカードにしようと考えていました。
カメラに使用しているSDカードを転用できますし、PCにもアダプタなしで挿せますし、メーカーによっては大容量でもずいぶんと安価ですし…。
しかし、SD-500HRの導入にあたって様々なネット記事を参照していたところ、録音メディアによって音質に差があることが報告されていました。
その中でも、「CFカードの方が断然音がよい」とか「〇〇(メーカー名)のSDカードの音質は最悪」といった文言を何度か目の当りにしていました。
結果、純正のTEACのカードを導入することにしました。
上の写真のように、たった1枚のカードにテープ100本分もの音楽データが入ってしまうなんて、驚きと同時に少し寂しい気持ちも感じずにはいられません。
かつて、LPがCDにとって代わった頃、大きなジャケットが約1/4のサイズになってしまったことを寂しく思う声が挙がったのと同じなんでしょう。
音楽データそのものも、あまりに小型のメディアに収まってしまうと存在が希薄に感じてしまうような錯覚があります。
これがウォークマンに転送されると、さらに指先サイズのマイクロSDカードに収まってしまう訳ですから、胸中は複雑です。
いずれにせよ、バックアップの作業はまだまだ始まったばかりで先は長くなりそうです。
テープメディアのバックアップなので、テープの先頭から終わりまでをすべて再生しながらのバックアップとなります。
それは曲数にして2,000以上の曲を聴くことになります。
それぞれの曲に対する個別の思いを感じながら、録音した当時や頻繁に聴いた頃の情景までもが蘇るのが音楽の楽しみだと思います。
それを、最高の音質でできるなんて、最高の楽しみです。
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202002
Thursday
前にこのテーマで記事を書いたのが、2012年の年末の頃のことでした。
そんなに昔のことだったのかと、びっくりしているところです。
【α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/30,F2,iso800】
あれ以来、変わりました。
今はそこからMDが姿を消しました。
現在は、DATデッキが新調され、MDの代わりはデジタルミュージックプレーヤー「ウォークマン」が務めています。
DATについては、DTC-ZA5ESというデッキタイプが仮死状態であり、TCD-D100というポータブルタイプのDATを稼働させている状態でした。
ポータブル機とはいえ、そこはDATです。
コンパクトなボディにも関わらず、DATらしい高品位な音質と操作性を誇っていました。
…とはいえ、そこはやっぱりポータブル機です。
高級据え置き機の安定感にはかないません。
私のDATコレクションはそのほとんどが、TCD-D7、D8というポータブル機で作製されており、要所要所で故障やテープパスの異常等に遭遇してきました。
そういった影響もあってか、D100ではすべてのテープを正常に再生することができず、やはり据え置き機が1台欲しいと思い続けていました。
【α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/40,F2,iso800】
DATについては生産終了となってから久しいこともあり中古市場には相当数のモデルが出回っていますが、粗悪品が多いということも伝え聞いておりました。
そんな中、慎重に慎重を重ねて購入したのは「DTC-A8」です。
先代のZA5ESとは、姿形は随分と違いますが中身はほぼ"同一"というモデルです。(…なんだそうです)
まぁ、先代が相当優秀な機種だったものですから、その後継モデルになる候補としては、同一機種か、DTC-2000ESか、A8の3択しかありませんでしたが…。
…で、価格とか機能面等の色々において判定した結果、導入したのはA8でした。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/30,F2,iso1000]
まぁ、安定感が半端ないですね。
ZA5ESのようなセンターメカマウントの方が安定感がありそうなんですが、テープ走行回りの安定感はZA5ESを上回ってるんじゃないかと感じます。
もちろん、再生される音についても一切の問題はありません。
エラー訂正能力もポータブル機のそれとは格段に違うんでしょうね。テープパスが狂っていると思しき頃のテープも難なく再生してくれます。
これはZA5ESで感じていたことですので、「やっぱり据え置き機」と思わせてくれる動機になりました。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/30,F2.8,iso1000]
高校生の頃から、レンタルしたCDを録音し続けたテープが200本ほどあります。
随分と時間が経過してしまいましたが、デジタル録音なので、再生される音質は録音当時と一切変わりはありません。
この音源をマスターとして、外出用にMDを作製するというスタイルをずっと通してきました。
…が、昨年から「ウォークマン」を導入したため、この作業は、DATから「ウォークマン」へ録音するというスタイルに変わっています。
[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/30,F2.8,iso1000]
こちらが「ウォークマン」です。
これまでのウォークマンと言えば、SONYの音楽(録音)再生機器のポータブル機に冠されてきました。
(特に、カセットテープですね。もちろん、「DATウォークマン」「MDウォークマン」「CDウォークマン」等ありました)
今やただのポータブル機の総称に留まらず、"音楽ファイル"の再生機器として普及タイプから高級タイプまで幅広いラインナップを誇ります。
私くらいの年代ですと、音楽の再生機器はディスクやテープのような駆動系を思い浮かべるんじゃないかと思います。
そして録音と言えば、「録音一時停止の解除」でしょう。
録音には再生時間と同じ時間を要することも当たり前だったと思います。
今は、目に見えない「音楽ファイル」を"転送"する時代ですからね。
事実、「ウォークマン」についても、CDや配信された音楽ファイルについては"転送"によって短時間で装填します。
ところが、DATから「ウォークマン」への"転送"については、従来どおりのアナログ方式です。
取扱説明書を見た時には吹きそうになりました。
それくらいアナログです。
まぁ、DATの音源をPCへ取り込んでから「ウォークマン」へ転送すれば良いのかもしれませんが、
DATがテープメディアである以上、どうしたって録音には再生時間と同じ時間を要します。
そして、録音にあたって必ずテープを最初最後まで再生する(=聴く)という作業がとても心地が良いんです。
相当時間耳にしていない曲とかたくさんある訳ですから、本当に久しぶりにそういった曲を聴くのは新たな発見にも繋がります。
ちなみに、今しがた録音が終わったテープは「1996年5月28日(木)」に作製したものです。
音楽は私にとっては --- 皆さんそうかも知れませんが --- 聴いていた当時を思い出す大事なアイテムでもあります。
たまに、思い出したくないことまで思い出して、赤面したり、こそばゆい思いをしたり、冷や汗が出そうになったりしますが…。
気が付いたら、私の年齢も40を過ぎ、これらテープを作製した時から四半世紀が経とうとしています。
信じられないことですが事実のようです。
最近は、なかなかCDをレンタルしに行くこともありませんし、新しく"配信"される音楽をお金を出して購入することもありません。
歳のせいなのか、食わず嫌いなのかは知りませんが、ただ、しばらくはこれまで積み重ねた音源を聴き返すことで楽しい時間を過ごせそうです。
すべてのテープを聴き終える頃には、また最初のテープを聴きたくなっているんじゃないかと思っています。
まぁ、そうであるが故に、私は"生涯SONY"で、DATを再生し続ける必要があります。
201702
Thursday
銀座の「ソニービル」建て替え前のカウントダウン・イベント「It's a Sony展」へ行ってきました。
いちソニー・ファンとして --- 欲しいけど手の届かなかった --- 歴代製品の数々を眺めてきました。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/160,iso640】
--- 私にとって --- ソニーといえば「WALKMAN」です。
その初代ウォークマンにあたる「TPS-L2」です。
海外出張の際に機内持ち込み可能な小型カセットプレーヤーの必要性を感じたソニーが1979年に発売しました。
私より1つ後輩にあたります。。。
初期モデルには「WALKMAN」のロゴは入っていなかったそうで、このお馴染みのロゴが入るのは1980年以降のモデルになるそうです。
ヘッドホンジャックが2つあるのは、カップルで1つの音楽を楽しめるようにというソニーらしい配慮で、初期ロットのみ“GUYS&DOLLS”と書かれていたそうです。
実物を見たのは初めてです。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/250,iso640】
--- あくまで私見ですが --- ソニーらしさの象徴のようなウォークマンです。
それが右手前。
ウォークマン・プロフェッショナル「WM-D6」です。
当時の販売価格は6万円。
私の手元にはオークションで落札した後継機の「WM-D6C」がありますが、今も現役で作動しています。
D6がパーマロイヘッドであるのに対し、D6Cはアモルファスヘッドが採用されています。
(違いについては、まったくわかりません。ただ、当時のカタログを見ると、D6C以降はアモルファスヘッドを前面にアピールしていたようでしたが…)
単3乾電池4本での駆動となるため、手軽に気軽にポケットに入れて持ち運べるような代物ではありません。
…が、録音再生機能の高さは「据え置き機にも匹敵する」と評されることもあり、ワウフラッターや周波数特性、S/N比はポータブル機のそれではなかったそうです。
ヘッドホン出力、マイク入力端子に加え、ライン入出力端子がそれぞれ独立で搭載されていました。
カセットテープがブームとなっている今、再び脚光を浴びている製品かもしれません。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/160,iso640】
出ました。
DATウォークマン(左)です。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/125,iso640】
CDの開発メーカーであるソニーが手掛けたポータブル・CDプレーヤー「Discman」です。
CDがはみ出してしまっています。
ディスクマン「D-88」です。
当時は8cmサイズの、所謂“CDシングル”が存在しました。(覚えてますか??)
こちらの先代であるD-82という機種はCDシングルに特化した製品で「CD WALKMAN」を名乗っていました。
(のちに、「Discman」ブランドは「CD WALKMAN」ブランドに統一されますが)
こちらは、姿形はそのままに、底辺のスライドレバーを動かすことにより光学ピックアップそのものを移動させることによって12cmCDの再生も可能にするという…。
なんと斬新な。。。
それなら最初から12cmCDを覆うサイズにしたら良いとも思えますが、プレーヤーがCDをくわえているような姿は愛嬌があります。。。
It's a SONY…ですね。。。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/100,iso640】
こちら、ディスクマンの最高峰「D-Z555」です。
「Discman」には「WALKMAN」のようなプロフェッショナル・ブランドは与えられていませんでした。
…が、もし与えられていたとすればこのモデルだったんじゃないでしょうか。
曲番号やインデックス番号、演奏時間、プレイモードといった基本的な情報表示はフロントのディスプレーに表示させていましたが、
それとは別に、グラフィック・イコライザーやエフェクトモード、ボリューム表示は上面ディスプレーに表示させています。
リモート、ヘッドホン、ライン出力等の端子はすべて金メッキ処理が施され、光デジタル出力端子も装備しています。
当時のカタログで見た販売価格は6万4千円くらいだったと思います。
実物を見たのは初めてです。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/100,iso640】
それまでは「録音=テープ」という概念を一新したのがMDですね。
光磁気ディスクに音声圧縮技術(ATRAC)を併せ、CDの約1/4の面積のディスクにCDと同等の74分の録音を可能にしました。
当時、ソニーが開発したMDと、フィリップスと松下電器産業が開発したDCCが新世代の録音再生機器として同時期に登場しました。
DCCは圧倒的に普及していたカセットテープの再生も可能にした機器でしたが、その操作性の差から、発売後ほどなくして姿を消しました。
(かくいうMDもカセットテープほどに普及することなく、終焉を迎えますが…)
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/50,iso100】
MDの初号機は録再機の「MZ-1」です。
第1号機が、MDはポータブル機で、DCCは据え置き機で登場したというのも印象深いですね。
今でこそ、デジタルオーディオプレーヤーの普及により、楽曲の取り込みや持ち歩きスタイルは多様化の一途を辿っています。
しかし、当時はディスク・メディアに録音できること、曲の入れ替えや並び替え、タイトルの入力ができることなど、夢がたくさんつまった規格でした。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/100,iso640】
メディア各種です。
8mmビデオ、DAT、MDが並びます。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/125,iso640】
ソニーのDATデッキのリファレンス・モデル「DTC-1500ES」です。
DATの開発メーカーとしてソニーが威信をかけて発売したモデルです。
当時のカタログでは、販売価格は30万円でした。
カタログは、それこそ飽きるほど、擦り切れるほど眺めました。
実物を見たのは初めてです。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/125,iso640】
DATウォークマン「TCD-D3」です。
当時のカタログでは、販売価格は9万8千円くらいだったと思います。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/125,iso640】
私がDATと出会ったのは、高校入試を控えていた中学3年生の頃です。
私の3つ上の姉が高校入学のお祝いに買ってもらったのが6万円くらいのCDラジカセでした。
私がおねだりしたのがこのDATウォークマンでした。。。
当時、佐渡の家電量販店にも展示商品があり、休日のたびに通ってはいじくりまわして楽しんでいました。。。
MDウォークマンの登場により、一時、私の心はそちらへ傾きかけた頃もありました。
しかし、その後すぐに後継機のTCD-D7が発売となり、販売価格も6万9千円くらいだったため、私の心は決まりました。
無事、高校入試を終え、お祝いとして買ってもらった製品を箱から取り出した時の感動は今も忘れません。
残念ながら、今は作動することもなく、ケースの中で静かに眠っておりますが…。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/100,iso640】
民生用CDプレーヤーの第1号機「CDP-101」です。
今では当たり前ですが、単純な再生だけでなく、1曲、全曲、区間リピートやランダム再生等、レコードでは考えられなかった再生機能が満載でした。
このモデル、リモコンは別売り(1万円)だったんだそうです。
「DIGITAL」の文字が誇らしげですね。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/50,iso1000】
CDのジャケットサイズを実現したモデル「D-J50」です。
外付けの充電池ケースを装着するとまさにCDのジャケットそのものでした。
当時のカタログでは、販売価格は5万4千円くらいだったと思います。
実物を見たのは初めてです。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/50,iso640】
デジタルマイクロカセットを用いた、所謂NTレコーダー「NT-1」です。
写真からはわかりづらいと思いますが、装填されているカセットのサイズは切手サイズです。
今でいうICレコーダーなんでしょうね。
第2号機では、別売りのステーションに合体させることでデジタル入力による録音が可能になるなど、音楽再生メディアを意識した仕様となりました。
1994年には、世界最小のテープとしてギネス認定されたんだそうです。
当時、地元の家電量販店にはこのテープのみ販売されていました。
実物を見たのは初めてです。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/80,iso1000】
メモリースティックウォークマンの第1号機「NW-MS7」です。
テープやディスクのような駆動系メディアによらず、現在のメモリー型オーディオの先駆けとなった製品かと思います。
初めて目にした時は「なぜソニーが電気シェーバーを??」と、目を疑いそうになりました。。。
一時、Vaioを片手にこのMSウォークマンを首からストラップで下げる…というスタイルに憧れたことがありました。
のちのち叶うこととなりますが、やっぱり私には駆動系メディアが似合いということを実をもって体感することとなります。。。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/160,iso1000】
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/160,iso100】
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/100,iso1250】
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/40,iso200】
ビルをあとにし「ほぅっ」とため息が出ました。
やっぱりソニー製品には夢がありますね。
数えきれないくらいの製品がありますが、デジタル時代の全盛にあって、中身はデジタルでも随所にアナログ --- というか人間的な遊びの部分というか ---
的な楽しみを強く感じることができるのがソニー製品の良さだと、私は思っています。
私が所有しているソニー製品は、カメラ、アンプ、CDプレーヤー、MDデッキ、TV、DATデッキ、DATウォークマンです。
(DATデッキ以外はすべて現役です)
それぞれに発売された時代も異なりますので、設計・思想というものはその時々のソニーの意思なんだと思います。
無骨であったり、愚直であったり --- それでいて、撤回するのも早かったり --- 様々です。
でも、それぞれが私の手にはピッタリ合うので、無理なく自然にソニーファンを続けることができるんだと思っています。
たまに「ソニーのバカヤロー」と叫ぶこともありますが。。。
昨年あたり、もっと積極的にDATを使って行こうと思い、DATのテープを買い込んできました。
ところが、そんな矢先にDATデッキが昇天してしまうという事件が発生しました。
私の手元には200本以上のDATテープが残っていますが、一時、テープ・パスの狂ったデッキで録音を続けたことがあるらしく、所有のDATウォークマンでは
再生が困難なテープが数多く存在してしまっています…。
DATデッキを修理するとなると、修理費用が高額になってしまいますし、部品の入手も困難な様子です。
「こんなに手間とお金がかかってしまうなら…」
のちのちのテープの保管等も含め、いっそのことメモリ型のデジタル・オーディオ・プレーヤーに乗り換えようかとも思いますが、踏み出せません。
もう少し踏ん張ってみようと思っています。
やっぱり私は、全曲のピークレベルを検出して録音レベルを決め、CDの再生に合わせて録音ボタンを押すというスタイルが好きみたいです。
あの、テープの録音停止が解除される「ガチャン」という音がして、そしてテープが回って…という姿が見えないとダメなようです。
もう少し、そのスタイルをソニー製品で頑張ろうと思います。
【α7SII,Industar 61L/Z-MC 50mm/F2.8,1/125,iso200】
ところで私、この日、この「It's a Sony展」で、ものすごいものをゲットしてきました。
記事中にもある憧れの製品です。
展示コーナーの一角にはガチャガチャが設置されていました。
6つのソニー製品のうちの1つが当たるというものです。
1回500円。
1人1日1回のみ。
私はどうしてもその製品が欲しかったもんです。
なので、スタッフのおねえさんに「どうしてもガチャガチャじゃなきゃダメですか??」と無謀なことを聞いてみました。
「そーですねー…。何とかそちらで当てていただくしかありません」
まぁ、当然ですが、おねえさんに優しく諭され、ガチャガチャへと向かいました。
ガチャガチャは9つありました。
ルービックキューブ状に3段3列に積み重ねてありました。
横から中を覗くという姑息なことをしてみましたが、まぁ、中身がわかるはずもありません。
ガチャガチャのブロックを「ストラックアウト」の9つのストライクゾーンに見立て、私の決め球でもあるインコース --- 右列中断 --- に狙いを定めました。
500円を装填し「えいっ!!」とレバーを回しました。
転がり落ちてきたカプセルの中身を恐る恐る確認すると、、、
【α7SII,LA-EA4,50mm F2.8 Macro,1/20,F4,iso3200】
「!」
【α7SII,LA-EA4,50mm F2.8 Macro,1/25,F5,iso3200】
憧れのDATウォークマン第1号機「TCD-D3」を見事にゲットしました。
やはり“持ってます”ね。。。
縦5cm、横3cmの可愛らしいDATウォークマンです。
途中、懐かしさと憧れが交錯し、涙目になってしまいながら、ソニー製品をソニー製カメラで撮るということをしていました。
最後の最後に素敵なプレゼントをいただき、気分は晴れやかです。
「It's a Sony」
こんなところでも私を楽しませてくれました。
ビルは4月から解体が始まるそうですが、2018年の夏には「銀座ソニーパーク」としてこの場に生まれ変わるんだそうです。
ちょっと想像がつきませんが、ソニーのことですから、誰もが驚くような新鮮で斬新な何かしらをしでかしてくれるんでしょう。
またその時には、私もソニーのカメラと、このDATウォークマンを手に、この場を訪れてみたいと思います。
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201312
Tuesday