<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

520の夢桜

2013.08.12 Monday

JUGEMテーマ:旅写真
JUGEMテーマ:つぶやき。
 
滋賀県大津市にある石山寺にいました。



DSC01997(太陽光).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/40sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --

関西圏ではそろそろ梅雨明けかと思われた、カラリと晴れ上がった暑い日でした。



DSC02000(曇天).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 70mm 1/50sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --

紫式部ゆかりのお寺だそうで、紫式部はこのお寺にお篭りした際に「源氏物語」の構想を描いたんだそうです。



DSC02005(曇天).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 55mm 1/160sec F4.0 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --

山門から望む境内は眩しいくらいに緑が輝き、観光地然とはしていましたが、静寂と凛とした雰囲気に包まれていました。



DSC02008(AWB).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 35mm 1/25sec F3.2 ISO=200 多分割測光 AWB --

さて、今日8月12日は、あの日航123便墜落事故からちょうど28年目にあたります。


昨年、おこがましくも御巣鷹の尾根に慰霊登山をさせていただきました。

私は事故の関係者でも何でもありませんが、空の安全を願ういち個人としての行動です。


すべての墓標に手を合わせることができなかったため、今年も必ず慰霊に向かうと自分に誓ったところだったんですが、
今年に入り、登山道で発生した土砂崩れにより、御巣鷹の尾根への立ち入りは非常に期間限定的なものに制限されています。

9月中旬以降、規制が解除される見込みのようですが、8月中はご遺族や関係者の方が多数登山されることと思い、
私個人のような者としては、立ち入りを自粛させていただくことが自然な流れと判断していたところです。



DSC02012(太陽光).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 35mm 1/160sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=太陽光 --

それでいて“無念”という思いのあったところ、たまたまこのお寺へ足を運ぶ機会を得ました。

まったくの偶然です。


所用で滋賀県に来ていたんですが、用務の終了後が休日にあたっていたこともあり、さらに休暇をいただき、このお寺を訪ねさせていただきました。



DSC02014(曇天).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 35mm 1/30sec F5.6 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --

このお寺に植えられた520本の桜こそ、日航123便墜落事故で犠牲となられた方々の命を“永遠”に灯すための「夢桜」なんです。


「慰霊」の気持ちを持ってこのお寺に足を踏み入れることは、多少“場違い”であったのかも知れませんが、
そんな人間もいたということを、ご容赦いただけたらと思います。



DSC02015(太陽光).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 55mm 1/80sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=太陽光 --

私に出来ることなんて何もありません。


しかし、いちばん懸念されていることが「事故の記憶の風化」ということであれば、多少なりとも文字や記録にして発信することで、
何かしら --- 本当に小さなことであっても --- お役に立てることができたらと思います。


この場をお借りし、改めてこの事故で犠牲となられた520名(521名)(*)の方々のご冥福をお祈りいたします。



DSC02017(太陽光).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 70mm 1/400sec F5.6 ISO=200 多分割測光 WB=太陽光 --

事故当時の私の記憶はほとんど明確なものではありません。

しかし、とにかく「怖い」という恐怖感を感じたことと、「飛行機は堕ちるものだ」という認識を持ったことは今なお変わりません。


連日連夜のように事故の報道をしていたんでしょう。

乗客名簿が何度も読み返され、あんなことがしょっちゅうあるものと錯覚してしまっていました。


機内にいた乗客乗員の524名の方がどんなに怖い思いをしたのか。

絶望と、誰も経験したことが無い総毛立つような恐怖だけが支配する中で、どんなに辛い32分間を過ごしたのか。

私には想像すらできませんし、それを思うとただただ胸が痛みます。



DSC02019(曇天).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/30sec F8.0 ISO=250 多分割測光 AWB --

ご遺族の方も、28年という時間が経っても、この日が来るたびに悲しみを新たにしていることと思います。


どんなに辛い時間を過ごしてきたのか。

想像を絶する悲しみや悔しさを抱えていらっしゃるかと思うと、心が痛みます。



DSC02021(太陽光).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 70mm 1/125sec F3.2 ISO=250 多分割測光 WB=太陽光 --

1987年(昭和62年)に航空事故調査委員会が発表した「航空事故調査報告書」によれば、推定の事故原因は、

「後部圧力隔壁の損壊と、それに続く尾部胴体・垂直尾翼・操縦系統の破壊により操縦機能の喪失をきたしたため。
隔壁の損壊は1978年に行われた隔壁の不適切な修理に起因したもの」

と結論付けられています。


事故から遡ること7年前。

同機に発生した「しりもち事故」で破損した圧力隔壁を修理した際にミスがあり、そこから発生した金属疲労の亀裂により、この事故が引き起こされたとしています。


実際、事故から2週間足らずで、修理を行った米ボーイング社自らが修理の際のミスを認めています。



DSC02025(AWB).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/30sec F8.0 ISO=400 多分割測光 WB=太陽光 --

しかし、隔壁の損壊から、垂直尾翼の破損、そして操縦系統の破断までの一連のプロセスが順序だてて解明されたわけではありません。


垂直尾翼に発生したフラッター現象に起因するとされる説などの諸説もあります。

さらに、その時の機内の様子を知る生存者の方の証言との食い違い --- 急減圧の有無 --- についても解明されてはいません。


まして、事故原因を探るうえで最も欠かせないとされる垂直尾翼や尾部胴体の一部は海底に沈んだままなんだそうです。



DSC02029(太陽光).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/60sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --

ご遺族の方を中心に再調査を求める声は未だやむことはありません。


こうした要望を受け、運輸安全委員会では「航空事故調査報告書についての解説」を作成し公表しています。

しかし、この解説についても「航空事故調査報告書に新たな解析や原因の推定を加えるものではありません・・・」とされています。

(内容的には“諸説”に関する根拠の無さについての指摘があるほか、
急減圧に関しては、生存者の証言と実際機内で起きた現象について、矛盾無く起こりえたと読み取れる内容となっています。)


原因については「解明されていない」というのが本当のところなんだと思います。



DSC02037(太陽光).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/20sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --

昨年からB787のトラブルが続出し、世界の空が騒がしいものになっています。

一旦は運行停止措置がとられ、一連のトラブルについての調査が行われましたが、結局、根本原因を究明できないまま、今も世界中の空を飛び続けています。


そんな中(B787とは別に)7月にはアナシア航空便がサンフランシスコ国際空港で着陸に失敗。

今月5日には、大韓航空機が新潟空港でオーバーランを起こすなど、死亡事故を含め、重大インシデントに認定される事故は多発しています。



これらの事故については、事故調査は始まったばかりですが、原因の究明こそが事故を無くすための最善の策だと思います。

どうしたって“想定外”はつきものですが、一刻も早く原因が究明されることを切に願います。



DSC02042(太陽光).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 55mm 1/80sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --

日本の航空会社に限って言えば、この1985年8月12日以来28年間、乗客に死者を出す事故は発生させていません。

そういう意味では、日本の空の安全は着実に守られているんだと思います。


そしてそれは、ここに灯る520の命の炎の存在を抜きにしてはあり得なかった未来なんだと思います。



DSC02044(曇天).JPG
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 60mm 1/50sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --

私はこのお寺とこの桜のことを、こちらのサイトで知りました。


28年前にこの事故で三女を亡くされたご遺族の女性が3年間をかけて520本の桜の苗木を植えたそうです。

植えた先が次女の嫁ぎ先であった、この石山寺なんだそうです。


そこには「この世での寿命は短かったけれど、桜なら何百年も生き続けられる」という“永遠”の思いがあったそうです。

女性は、娘さんが亡くなった年齢と同じ22年後に初めてこの桜の花を目にしたといいます。



今回私が訪ねた季節は夏の真っ盛りでした。

当然のようにこの桜が咲いている姿を見ることはありませんでした。


いつか満開の「夢桜」を見ることができたら。

その時は私も“永遠”に祈りを捧げたいと思います。



繰り返しになりますが、この事故で犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族の皆様のご健康をお祈り申し上げます。



* * * * * * * * * *

(*)死者数については、胎児1名を含め521名とする向きがあるそうです。
  妊娠6ヶ月の胎児が墜落の衝撃で母親のお腹から飛び出してしまったためです。

* * * * * * * * * *

関連リンク先

「8.12連絡会」・・・「空の安全」と輸送機関の安全を求めるご遺族の会のホームページです。

「日航機墜落事故 東京−大阪123便 新聞見出しに見る25年間の記録」
 ・・・この事故でご友人を亡くされた方のホームページです。

* * * * * * * * * *
関連する記事
コメント
おはようございます。
大変立派なお寺ですね、歴史もありそうです。

胎児だってお腹の中で生きていたんです、死者数に入れるのは当然だと思うのですがお役所的な考えですね。

とにかく、あのような事故、そして震災で多くの命が失われることのないように祈るだけです。
  • by かかし
  • 2013/08/13 8:43 AM
かかしさん、こんばんは!
いつもありがとうございます(^^)

とても立派なお寺でした。
歴史も相当に古いんだと思います。
何せ、紫式部ですから・・・(^^)

「安全」なんてどこにもないのかも知れませんね・・・。
すべては時の運なのかも知れませんし、時だけが知っていることなのかも知れません。

ただ、あれ以来、あのような事故が起きていないということは、
きっと「安全」は守ることのできるものと信じています。

2度と起きないように。
祈るだけです。
  • by 
  • 2013/08/13 10:02 PM
コメントする
トラックバック
この記事のトラックバックURL