2024/03

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

<< >>



話は前後しますが、先日の「さっちゃん桜」の日の、その後の時間です。

旧・内海府小学校をあとにし“加茂線”を南下します。
“加茂線”という呼び名を初めて耳にしたんですが、バス路線でいうところの所謂“内海府線”ということになります。
とまぁ、早い話が鷲崎から両津港方面へと車を走らせたわけです。

DSC00970.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/250,F11,iso200】

鷲崎のお隣に「見立(みたて)」という小さな集落があります。
そしてそこには、ご覧のような立派な岩とそこに根を張る松の姿が見えます。

DSC00973.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/250,F11,iso200】

地図には「弁天岩」とだけ記載があります。
このすぐ上を走る佐渡一周線からいつもこの岩と松の姿が見えるんですが、こうしてカメラを持って降り立つことはこれが初めてでした。

DSC06035.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/4000,F2.8,iso200】

写真家の故・天野 尚 さんの写真集「佐渡〜海底から原始の森へ」の中でも「見立の二本松」として紹介されている場所です。
いつでも立ち寄れると思っていると、なかなかその機会とは訪れるものではありません。
「えいっ」と思いきる時が必要なんだと思うんですが、この日がその時だったようです。

DSC00977.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/250,F11,iso200】

縞模様の小石がたくさん見え隠れする広い砂浜。
果てしなく続くような青く広い海。
道路からはちょうど死角にあたり、外界とは弁天岩で仕切られています。
さながら --- 早い者勝ちの --- プライベートビーチです。

DSC00981.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/50,F10,iso250】

弁天岩に根を張る松の姿です。
必死にしがみついているように見えます。

DSC00983.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/125,F11,iso200】

キレイに剪定されたかのような、出来すぎなくらい形の良い松の木です。
岩に絡みつく根っこだけが異様に生々しく、そして妖艶です。

DSC06037.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/1250,F2.8,iso200】

年中強風と潮騒にさらされているんでしょうね…。
そりゃあ、必死になって岩にしがみついているハズです…。
私の母校である相川小学校の校歌には「波風さわぐありそべの いわおに育つ若松の そのけなげなる雄々しさに いかでまさらであるべきぞ」という一節があります。
この日、この松の木の姿をまじまじと見て、すぐにこの歌詞のことを思い出しました。(きっと、若松ではないんでしょうけれど…)

「いや、勝てっこねぇし…」
そうつぶやくのが精いっぱいでした。。。

DSC00988.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/40,F11,iso100】

岩の根元には大きな石碑が立っています。
「龍」「八」「大」というような文字は辛うじて読めるのですが、これがどんな石碑なのかはまったくわかりません。
引き続き、追跡調査してみたいと思います。(いつになるかわかりませんが…)


【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/50,F11,iso100】

それにしても、見事です。
手前の松はご高齢のようですが、奥に見える2本の松はそれこそ若松のようです。
ちなみにこの“プライベートビーチ”へのアプローチは見立集落からが楽かと思います。
佐渡一周線からは高さ5mほど飛び降りる必要があるので、自信が無い方は見立集落から海岸線に残る歩道跡をたどるとよいです。

DSC00996.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/80,F11,iso100】

さて、この見立の海岸線にはもう1箇所だけ行ってみたい場所がありました。
弁天岩から集落へと戻り、車で集落の南端まで移動し、そこからさらに大きな石の転がる海岸線を歩いてきました。
振り返ると、沖合に大きな岩が1つあります。
あのあたりが集落の南端です。

DSC01000.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/100,F11,iso100】

私が見てみたかった --- 確かめたかった --- のはこの岸壁に開いたトンネルの存在でした。

DSC00998.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/100,F11,iso100】

佐渡一周線を走る時、眼下に一瞬だけ見えるこのトンネルの存在はずっと気になっていたんです。
…が、前述のとおり、なかなか足を停めてみるということがなく、この日、ついにここまで来る機会を得ました。
集落を挟んで、北には風光明媚な弁天岩。
そして、南には謎のトンネル…。
ひょっとしたら、車道が開通するまでの間、見立への玄関口として存在していたトンネルなのではないか…。
そんな風に勝手な妄想を膨らませていました。

しかし、、、

民俗学者である故・宮本 常一 氏が昭和30年代〜40年代に佐渡を調査した内容を記した「私の日本地図7 佐渡」(同友館)によりますと、
『鷲崎から南へ2キロほどは車の通る道がついている。(中略)車道は断崖になったところで終わり、そのさきは断崖の下の細道をゆく。』
とあります。
この「断崖の下の細道」が、弁天岩から見立集落へと続く歩道の跡と思われます。

さらに『見立という村の南も断崖になっているが、そこは断崖の上をゆくことになっている。』と続いています。
「天然の岩のトンネル」というような記述も特記事項もないことから、ここは船の通り口でも、波打ち際に存在する旧道でもなかったようです。
まぁ、知らぬが仏と言いましょうか、長い間、楽しい妄想を膨らまさせていただきました。。。

DSC00993.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/80,F11,iso250】

岩にしがみつきながら、トンネルの裏側へ回ってみました。
トンネルの向こう側はストンと海へ落ちています。
なるほど、道らしいものがあったような気配すらありませんでした。
視線を上げると、断崖の上には現道のガードレールが見えます。
「あそこからいつも見えていたんだな」
そう納得して、この場所あとにしました。

それにしても、足場の悪さをものともせず、長い手足を優雅に操ってスイスイと岩場を渡り歩くミナコさん。
素敵です。
この日、見立の海岸線をじっくり歩くことができたのはミナコさんの「行ってみたい!」の一言がキッカケでした。
機会を作っていただいたことに、この場を借りてお礼申し上げます。

DSC06053.JPG
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/400,F2.8,iso100】

もう1箇所、桜を見たい場所がありました。

DSC01004.JPG
【α7S,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM II,1/320,F5.6,iso100】

旧・北小浦小学校(現・北小浦ダイビングセンター)です。
満開の「さっちゃん桜」には少し遅れをとっていたようでしたが、ここも「学び舎」の風情と相まって素敵な桜のスポットです。
満開の時期を狙って再訪したいと思っていたんですが、昨日の瞬間最大風速37mの強風が桜を散らしてしまったでしょうね…。

DSC06060.JPG
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/5000,F2,iso100】

そして願(ねがい)へと戻ってきました。
冷たい風、青い空、青い海、そして佇む二ツ亀です。
何気にここに立つのはものすごく久しぶりだったかもしれません。
「月イチ“願”」を目指し、かつては毎月のように通った場所ですが、最近は歳のせいか跳坂を越えるのが難儀になってしまっていました。。。

この日ここに立って感じたのは、佐渡島内にあって「土樽駅」のような場所だなと…。
私にとっての土樽駅は、何度降り立っても気持ちが新たになるような場所で、何をする…というわけでもなく、ただただそこに立ちたいような場所です。
同じ島内でそんな風な新鮮さを感じる唯一の場所であることを実感しました。
昨年末にお世話になったおかあさんにもまたお会いしたいですしね。

近日中にまた帰って来たいと思います。


 
JUGEMテーマ:つぶやき。
JUGEMテーマ:カメラ
JUGEMテーマ:地域/ローカル
JUGEMテーマ:花のある暮らし
JUGEMテーマ:
JUGEMテーマ:ひとりごと


comment

素敵な所ですね〜。。。ほんと。
トンネルの向こう側、確かに行っちゃいますね!
弁天岩の松の木の生命力が凄いですね!
そういう岩を見ると登りたくなってしまいますがだめですね(笑;)

  • 檸檬
  • 2016/04/19 10:19 AM

檸檬さん、こんばんは!
いつもありがとうございます(^^)

いや、ホント素敵なところでした!
空と雲の綺麗さがより素敵さを際立たせてくれていました(^^)

ずっと気になっていたトンネルをくぐることができて、念願がひとつ叶いましたよ(^^)

私もこういう岩を見ると決まってよじ登ることをします(笑)
この日は美人さんと一緒だったので、自重させていただきましたが…。

次に行ったら、間違いなく登ると思います!
だめですね(笑)

  • 2016/04/20 11:03 PM









trackback