201703
Tuesday
さて、黒滝手前の斜面をよじ登り、滝を高巻きします。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.4,F11,iso100】
そして再び降り立った国府川支流です。
振り返ると3つの釜が連なっています。
いちばん向こう側の釜の先が黒滝の落ち口になっています。
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/160,F2,iso100】
その10年近く前、若かりし頃の私はあの落ち口に立つことをしていました。
ほとんど残っていない記憶では、落ち口へは簡単に立つことができると思っていたんですが、パッと見の印象は「これは骨が折れるな・・・」でした。
とりあえず、落ち口へ立つかどうかは後回しにして上流へと進みます。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.8,F11,iso100】
黒滝の下流に比べると水の透明度がずいぶんと高くなっています。
また、当然のように渓流然としています。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.8,F11,iso100】
地形図を見ると黒滝からその上流の滝マークまでは200m程度です。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.8,F11,iso100】
前回もいともたやすくたどり着くことが出来たと思うんですが、こんな川幅いっぱいの淵が連なっているとは記憶にありませんでした。
もっとも、川幅自体がとても狭く、淵の両岸には岩の踏み場があるのでスイスイと進むことができましたが・・・。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.8,F11,iso100】
狭い谷底を伝ってくる風が急激に冷たく感じるようになりました。
谷の奥には、かつて朱鷺の営巣地であった黒滝山や朱鷺山が聳えています。
(以前は国土地理院の地形図に2つの山の名称の記載があったんですが、現在は表示されていないようです)
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1/80,F5.6,iso1250】
そろそろ残雪が顔を覗かせるあたりへ差し掛かったところで、、、
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM,0.6,F11,iso100】
黒滝上流の滝(F2)に到着です。
落差はほんの5m程度かと思いますが、ずいぶんと入り組んでいてその姿はさながら“昇り竜”のようでもあります。(と思います)
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1.3,F11,iso100】
近づくにつれ、上段の滝が見えなくなってしまいます。
撮影ポイントを探すのに苦労しました。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1.3,F11,iso100】
透明に澄んだ滝つぼに足を踏み入れます。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1,F11,iso100】
三脚に固定したカメラを水面ギリギリに設置するため、私も半身浴するような格好になってしまいます。
なんと水の冷たいこと・・・。
夏場であれば、シャワーのように水を浴びながらこの滝を登るのもアリなんでしょうけど、さすがにこの季節は厳しいですね。
早々に滝壺から上がりました。
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/100,F2,iso100】
滝(F2)の上流がどうなっているのか気になるところですが、ずいぶんと陽も傾いてきたためUターンです。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.6,F11,iso100】
往路に比べ、復路はあっという間です。
往々にして、こういう時に粗相をするもんですから、復路は必要以上に時間をかけて進むのが常です。
それにしても、あっという間に3連の釜の上まで戻って来てしまいました。
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/800,F2,iso100】
黒滝の落ち口へ立とうかどうか悩んだんですが、この日はこのまま撤収することにしました。
もっとも落ち口へは川に沿って下ることは不可能に見えたため、別の斜面を探して降りる必要がありました。
若かりし頃の私によくぞそんな度胸と根性があったものだと感心してしまいました。
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/250,F2,iso100】
よじ登ってきた斜面を見下ろします。
黒滝の下流が見えています。
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/160,F2,iso100】
満開の福寿草を蹴散らさないように・・・。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1,F11,iso100】
無事、川床に降り立ちました。
散々慎重に慎重を重ねたつもりだったんですが、結局、このあと滑ってしまいました。
幸い、レンズフードの先端が泥に突き刺さった程度で済みましたが・・・。
【α7SII,LA-EA4,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1,F11,iso100】
まぁ、何が悪いって、川を跨いでいた倒木を渡ってみよう・・・なんて馬鹿なことを考えたのは私自身ですから・・・。
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/250,F2,iso100】
さて、この川を上って来る時にも視界にそれは入っていたんですが、、、
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/30,F2,iso800】
それというのは、こちらの石碑です。
右岸にそって石垣の跡があったり、かつては田んぼがあったと思わせるような場所が下流にはあります。
その入口付近に佇むのがこの石碑です。
【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/200,F2,iso800】
「トキ生息地跡 供養塔」とあります。
1963年(昭和38年)
当時絶滅の危機に立たされていたトキが3年ぶりに巣立ったというニュースを伝える記事があります。
「〜中略〜佐渡でトキが巣立ったのは3年ぶりである。現場は昨年春、国がトキ安住の地として買い上げた黒滝山と国見山の境の雑木林。〜中略〜」
(1963年(昭和38年)6月20日 毎日新聞朝刊社会面)
この頃、朱鷺は佐渡に6羽、能登半島に2羽が生存している状況でした。
その3年後にはこんなニュースを伝えた記事があります。
「新潟県佐渡に住む国際保護鳥“トキ”のヒナ2羽が、佐渡郡新穂村の国有営巣地、黒滝山で育ちエサをあさり歩いていることが、ほぼ確認された。〜中略〜」
(1966年(昭和41年)6月20日 毎日新聞朝刊社会面)
この頃、能登半島の朱鷺は1羽となっていますが、佐渡の朱鷺は10羽に増えている状況でした。
この後、野生の朱鷺は5羽まで減りますが、1981年(昭和56年)1月までにすべて捕獲され、人工飼育下に置かれることとなりました。
この瞬間に佐渡の野生の朱鷺は“絶滅”となってしまったわけです。
その間、1969年(昭和44年)に朱鷺はこの黒滝山の営巣地を放棄してしまっています。
こちらの供養塔は“絶滅”から8年後の1989年(平成元年)に建立されたようですが、その時はこの黒滝から朱鷺が姿を消して既に20年が経過していました。
近年は、もう1本の支流にある臼ヶ滝周辺の休耕田がビオトープとして整備され、再び朱鷺が訪れたりしているようです。
営巣地でなくって既に半世紀が経過した黒滝山周辺ですが、きっと朱鷺もふたたび訪れていることと思います。
「生息地跡」として供養塔を建立された方の胸中を思うと胸が痛みますが、ふたたび生息地としてエサをあさる朱鷺の姿が見られる日も近いのではないでしょうか。
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