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佐渡名瀑めぐり 〜 石名川・仙人ヶ滝 〜

2018.06.07 Thursday

 

1週間ぶりの石名川(Ishina-gawa River)でした。

しかし、林道終点から川へ降り立つとなると2010年5月以来、実に8年ぶりでした。

入渓の目標は8年前と同じです。

この川の上流にあるであろう、かつての修練の場であった1つの滝を探していました。

 

8年前の記事にも、10日前の記事にも同じことを書きました。

 

大正の中ごろから昭和30年代まで佐渡の自然と風俗を撮り歩いた写真家・近藤福雄さんの写真集『佐渡万華鏡』に掲載されている滝を探していました。
写真集には『両津町和木川上流の「法力和光滝」、落差40辰梁贅笋如打水に体を清める人々』と解説された1枚の滝の写真が掲載されています。

しかし、掲載されている写真の滝については、現在和木川上流にある「法力和光滝」とは姿形がまったく異なっています。

 

以前、佐渡の滝の数々を掲載していたWebサイトが存在していたんですが、そのサイトには「石名川」として掲載されていた滝の写真がありました。

その写真の滝こそが『佐渡万華鏡』に「法力和光滝」として掲載されていた写真と同じ滝でした。

以来、この滝をずっと探したいと思っていました。

 

先週、石名天然杉遊歩道へ向かおうと車を走らせていたんですが、林道(石名・和木線)のまさかの崩落によりUターンを余儀なくされました。

しかし、せっかく来たのだからと、勢いで石名川へ踏み込みました。

その勢いの余韻のあるうちに、強力な助っ人をお願いし、再び石名川を目指しました。


DSC04101.jpg

【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/640,F2,iso250】

 

さて、林道に沿って車で進める限界まで進み、そこから藪漕ぎをスタートさせたところです。

 

DSC04105.jpg

【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/250,F2,iso200】

 

私の前を行くのは、石名のWさん。

そして、少し前まで佐渡市で地域おこし協力隊員として活躍していらっしゃった 重盛 真知子 さんです。

今回の強力な助っ人のお2人です。

 

DSC02774.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1/15,F11,iso400】

 

重盛さんにつきましては、昨秋、関の名峰・知行山への初登頂に導いていただきました。

さらには、2年前の年末にも檀特山・奥の院へお導きいただいております。

何となく…という訳ではありませんが、今回の滝巡りに際しても「重盛さんにお願いしてみよう」という考えが浮かびました。

彼女と一緒なら、きっと滝も見つかるだろう…と。

 

当日の午前10時に石名川の河口で待ち合わせをしました。

顔を合わせるや否や、重森さんからすぐに情報提供がありました。

「滝のことを知っている人がいて、お話を聞いたら『30分くらいで行ける』みたいですよ」と…。

「その方は『何回も行ってるけど、一見の価値はある』みたいですよ」と…。

 

彼女に声をかけて良かったって思いましたし、彼女のこういう部分があるから声をかけたという部分が大きいです。

色々な意味で"女神"になってくれる人と確信していたということになります。

打算的と思われても致し方ないかもしれませんが、彼女無しに成功はあり得ませんでした。

 

そして、彼女がお話を聞いたという方こそが石名の"Wさん"でした。

 

DSC02775.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.4,F11,iso100】

 

林道の終点 --- というか、車で進める限界地点 --- から藪漕ぎを始め約30分です。

ようやく石名川へ降り立ちました。

 

石名川の河口から、重森さんの車で林道の奥を目指しました。

"Wさん"のお話を聞きながら。

 

すると突然重盛さんが声をあげました。

「あ、Wさんだ!!」

 

DSC02781.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.4,F11,iso100】

 

林道で作業中だったWさんに偶然にお会いすることになりました。

「これから行ってきます」

そういう重盛さんに対して、色々と道中のアドバイスをくださっていたんですが、ついには

「入口のところまで一緒に行くよ」

Wさんはそんな風におっしゃってくださいました。

 

Wさん。

林道の終点付近まで私たちを先導してくれ、そこからは藪漕ぎを先導してくださいました。

冒頭2枚の写真はその時の写真です。

川はすぐそばを流れているのに、なかなか降り立つことが出来ませんでした。

8年前と決定的に違っていたのはこの部分でした。

 

石名川は上流の相当奥まったところまで堰堤が連なっています。

従って、最終の堰堤がある場所までは作業道の跡が残っています。

8年前はその作業道の跡がしっかりと残っていました。

しかし今回は、その跡がとても薄くなってしまっていました。

 

林道の終点付近からスタートした藪漕ぎですが、Wさんがいなかったらきっと乗り越えることはできなかったと思います。

切れ味抜群の鎌で「シャンシャン」と道を切り開いてくださいました。

 

DSC04109.jpg

【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/250,F2,iso200】

 

せっかく川へ降り立ったというのに、またしても現れた堰堤のため、再び川沿いを離れます。

これが最終堰堤です。

ベテランのWさんですら、3回くらい騙されました。

 

「これが最後の堰堤だと思うから…」

そう言って、そこから少し進むたび次の堰堤が姿を現しました。

 

私も騙されました。

Wさんに比べたら私が持っている記憶はわずか8年前のことでしかありませんが、当時とは河原の様子が全然違っていました。

林道はこんなに荒廃していませんでしたし、河原はもっと開けていました。

そうでなければ、ヘタレの私がたった1人でこんな場所へ来れたハズがありません。

 

DSC04113.jpg

【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/320,F2,iso200】

 

そう。

私は自分の8年前の最終到達地点を探していました。

しかし、当時の面影がほとんど残っていなかったため、記憶と同じような景色はまったくありませんでした。

 

DSC02785.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.8,F11,iso100】

 

そうこうしているうち、川幅いっぱいに広がる小さな滝が目の前に現れました。

 

「林道の終点から平坦な川原を歩きます。
終点にあった堰堤が最終堰堤かと思いきや、さらに2つも堰堤がありました。
そこを越えると、川幅いっぱいの滝が現れ、いよいよといった感じの雰囲気になってきます」

 

8年前の記事です。

なるほど。

まず「平坦な川原」がありませんでした。

最終堰堤と思った先に2つも堰堤があったのは、今回も全く同じでした。

そこを越えたところにあった「川幅いっぱいの滝」が、この滝ですね。

 

DSC02787.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1,F11,iso100】

 

立派な滝でしたが、重森さんは「可愛い」を連呼していました。

まぁ、高さは2mにも満たないようでしたし「可愛い」と言うのもわからないでもありませんでした。

 

DSC02789.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.4,F8,iso100】

 

DSC04121.jpg

【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/250,F2,iso200】

 

DSC02792.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1/3,F11,iso100】

 

神々しさを感じるところでした。

「先人はここを通ったんだろうか…」

見上げる巨木や巨岩のいでたちが見事でした。

 

DSC02795.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,2.5,F11,iso100】

 

そして、そんな"先人の通り道"は確かに私の記憶に残っている場所でした。

(記憶のそれを遥かに凌駕する神々しさでしたが…)

前回、私が引き返した場所がこの場所です。

 

前回は今回より1ヶ月くらい早い季節でした。

雪解け水がゴウゴウと音を立てて流れていたと思います。

長靴しか履いていなかった私はここを渡ることを諦め、早々に退散したものでした…。

 

この場所をどうやって越えて行くのか。

この場所を越えるとどんな景色が待っているのか。

色々な想像を膨らませた8年間でした。

(8年間ずっとこんなことを考えていた訳ではないですが…)

 

DSC04134.jpg

【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/200,F2,iso400】

 

…で、ここを乗り越えるのは、こんな感じでした。

たまたま岩の隙間に挟まっていた倒木を伝ってここを越えました。

非常に微妙な強度でして、私が乗ると倒木は大きくしなっていました。

カメラさえなければ、何でもない岩場なんですけどね…。

 

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【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/320,F2,iso200】

 

DSC04142.jpg

【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/320,F2,iso200】

 

DSC02801.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.4,F16,iso100】

 

過去に記憶の無い、未踏の地へ足を踏み入れるのはとても気持ちが良いことです。

まぁ、これがもし1人きりであれば、そんな余裕なんて微塵も無いんでしょうけと…。

助っ人のお2人の存在のお陰でした。

とにかく、最後尾で私は幸せでした。

 

DSC02804.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1.6,F11,iso100】

 

未踏の地へ踏み込んでから、何本かの大きなカーブを折れました。

 

DSC02806.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.8,F11,iso100】

 

カーブが来るたび「ここを越えたら…」と期待しました。

 

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【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/200,F2,iso100】

 

そのたび期待を裏切られました。

しかし、そのたび風光明媚な景色に感嘆の思いでした。

しかししかし、そのたび"時間切れ"も気にし始めていました。

 

「滝を見つけられなくても、13時になったら必ずUターンする」

というのがこの日の決め事でもありました。

 

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【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,0.6,F11,iso100】

 

時刻は12時30分を過ぎようとしている頃でした。

Wさんも「もう少しだったと思うんだけどなぁ…」と。

藪漕ぎをスタートしてから約2時間が経過していました。

それにしても、美しかった石名川の淵です。

 

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【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/2000,F2,iso100】

 

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【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/320,F2,iso100】

 

親子のようなお2人です。

 

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【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/320,F2,iso100】

 

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【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/1250,F2,iso400】

 

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【α7SII,LA-EA4,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/1250,F2,iso400】

 

御年60を超えていらっしゃるというWさん。

しかし、そんなことを微塵も感じさせない軽快なフットワークでした。

こういう"道なき道"の先導はとても骨が折れます。

後を歩く人の力量やら何やらを考えながら、先々を読みながら瞬時にルートを選択していきます。

 

いや、ホントこのお2人がいなかったら、こんなところまで来れませんでした。

 

そして、前方に滝の落ち口らしき姿が確認できました。

「あれか?? あれか????」

滝の少し手前はこれまでに無かった急な岩場になっていました。

四つん這いになってそこを乗り越えると、目指す滝が姿を現しました。

 

DSC02810.jpg

【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1.3,F11,iso100】

 

8年越しの目標がようやく叶いました。

そして、この滝が石名川の上流にあるものだということもようやく確認できました。

落差はほんの10mくらいでしたが、水量も勢いもあり、見ごたえのある滝でした。

 

滝壺にだけ陽が射し込んでいたというのも、また何とも言えず…。

先人たちがここまで足を運び、そしてここで滝に打たれながら身を清めていたことを思い浮かべてみました。

 

ちなみに「仙人ヶ滝」という名称につきましては「(石名)清水寺」「仙人ヶ滝」をキーワードにネット検索すると色々とヒットします。

もともと「木食上人」をキーワードに調べているうちに見つけた滝の名前です。

檀特山・奥の院とあわせ、石名川の上流のどこかにあることが伺えました。

ただし、場所については特定された情報が無いため、この滝が本当に「仙人ヶ滝」かどうかの確証を得ることが出来ません。

このあたりは、また機会を見つけてWさんはじめ、石名の方にもお話を伺ってみたいと思います。

 

差し当って、当ブログでは暫定的ではありますが、こちらの滝を「仙人ヶ滝」とご紹介させていただきます。

 

 

 

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コメント
おはようございます。
石名川は、江口までしか行ったことがないので、これは嬉しい写真です。滝の写真は、Wさんの下の家で見ました。何年か前に、遭難した方の捜索を手伝った時に見つけたと言ってました。
Wさんは高校の(私には小学校からですが)先輩ですよ。
実は、古本屋で「木喰上人」って本を見つけて買ってみましたが、佐渡の記述はほんのちょっとでした。
  • by 加平
  • 2018/06/08 7:42 AM
加平さん、こんばんは!
いつもありがとうございます(^^)

なるほど!
加平さんもこのあたりまで足を運んだことは無かったのですね!?

…というか、写真の後ろ姿と「Wさん」だけで、どなたかお分かりになるのですね(^^;
高校の大先輩にあたるのですね☆
…というか、Wさんのご兄弟様が私の自宅のすぐ近所にお住まいだったそうで、
私が自己紹介させていただくや否や「世間て狭いですね〜」という話にもなりました(^^)

偶然が重なってWさんにお会いすることが出来ました。
数年前の遭難の捜索も、今回のこの偶然の伏線になっていました。

本当に得難い時間でした(^^)
  • by 華
  • 2018/06/10 8:28 PM
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