2024/03

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まぁ、仕事が行き詰まるとロクなことがことがないですね。

行き詰っているのかどうかもわかりませんが、追われていることだけは確かです。

 

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【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1/500,F5.6,iso400】

 

昔働いていた営業会社のトップクローザーの方のことを思い出します。

その名も、Iリーダー。

全国にたくさんの支社を持つ --- 比較的 --- 大きな会社だったと思います。

当時はCMもバンバン流していましたし…。

Iリーダーは、支社ではもちろんですが、全社的にも3本指に入るようなトップクローザーでした。

 

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【α99,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/2500,F2,iso400】

 

座右の銘は「敵は我なり」

本来は私のような若輩者が気軽に声をかけられるような存在ではなかったと思うんですが、非常に気さくな方でもありました。

 

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【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1/125,F5.6,iso400】

 

私たちアプローチャーがアポイントを入れたお客様へ、Iリーダーをはじめとしたクローザーが訪問販売へ向かうというスタイルでした。

クローザーが契約を成立させれば、アプローチャーにも手当てが付く仕組みになっていました。

毎日、その日クローザーの方が向かうお宅を確認し、自分がアポイントを入れたお宅であれば、そのクローザーに「お願いします」と声をかけていました。

 

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【α99,Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM,1/60,F4,iso400】

 

私がアポイントを入れたお宅へIリーダーが向かう日の朝、Iリーダーのところへ挨拶に向かいました。

「よろしくお願いします。どんな感じでしょうか??」

 

恐る恐る聞く私に対し、Iリーダーはいつも悠々と、そしてどこまでも悠然としていました。

「華君…。誰にものを言っているんだい??」

半分冗談めかしたような口調で、しかし、みなぎる自信は隠しようもない --- 隠す必要もない --- といった風情でした。

いつも。

 

まったくもって無能なアプローチャーであった私ですが、Iリーダーのお陰で、手当てについては恵まれていたんじゃないかと思います。

それは私に限ったことではありませんが。

 

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【α99,Vario Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM,1/200,F5.6,iso400】

 

私が絶不調で、顔全体が引きつっていた頃のことです。

短い期間ではありますが、Iリーダーの下で直接ご指導を受ける時間がありました。

 

「華よぉ。オマエ、顔が嘘だよ」

「え??」

「だから、顔が死んでるよ」

「はぁ…」

「ちゃんと遊んでんのか??」

「は??」

「休みの日はちゃんと好きなことやって遊んでんのかって言ってんだよ」

「いえ。その、A%RAY$AGJVLNACZH=T$〜TFUAC・・・ほにゃらら」

「ゴチャゴチャ言ってねーで、ヤることヤれよ。そのために、いい顔しろっつってんだよ」

「…」

「いいか。いい仕事する奴ぁみんな、いい顔してんだよ。いい仕事しようと思ったら、休みは自分の好きなことして自分の時間充実させんだよ」

「…」

「自分の時間を充実させられない奴が、いい仕事なんてできねーんだよ。だから、ちゃんと遊べっつってんだよ。そんな顔してるとこっちの士気も下がんだよ」

 

"浜の番長"こと、元プロ野球選手の三浦大輔投手ばり --- とまではいきませんが --- のリーゼント調が良く似合う方でした。

「昔はさぞかしヤンチャしていたんだろうな」というような方でした。

月収200万円の男は違いました。

 

「華君。俺の給与袋見るかい??」

「は、はい??」

「今月はちょっと頑張ったから、給与袋が2つあるんだよ」

「・・・!」

「2つとも、縦に置いても立つんだよねぇ〜〜」

「…!!」

 

こんがらがった頭の中をスッキリさせようと、冷たい空気に当たろうと思って冬の山へやってきました。

そこで思い出したのは、そんなIリーダーとの時間でした。

昨年、当時一緒に仕事をしていた同僚から送られてきた「Iリーダーの今」という写真を眺めています。

いまは"リーダー"ではなく、支社長のようなクラスでいらっしゃるようです。

同僚の送ってくれた写真のIリーダーからは、相変わらず、みなぎる自信が溢れているようでした。

 

クローザーの方が契約を成立させると、翌朝の朝礼で、全社員の前で一言コメントを述べてくれるというスタイルでした。

Iリーダーは決まって手短なコメントをしていました。

「昨日、契約を取れたのは華君が良いお宅を見つけてくれたからです」

チラっとこちらに目線を向け、少ぉしだけ口元を緩めてくれた気がします。

至福の時でした。

 

まぁ、私がIリーダーのようになれるすべもありませんし、敢えてなりたいとも思いませんが…。

ヘタレな私ですが、せめて「あの時に比べたら、今の方が全然ヘーキじゃん」と思えることで、何とか今日もやって行けます。
 

 

 

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