2010年3月26日。
第83回選抜高校野球大会の1回戦。
今大会の大一番(!)
佐渡高校vs智弁和歌山高校のゲームを観戦しに行ってきました。
高校野球観戦で甲子園球場を訪れたのは初めてです。
今大会のスローガンは『がんばろう!日本』
前日の朝一番のカーフェリーに乗り込み、野球仲間3人交代で軽のハコバンを運転してやって来ました。
やはりプロ野球では感じることの出来ない、独特の雰囲気を感じます。
試合前のノックは7分間。
佐渡高校のノッカーはこの人、深井監督です。
対する智弁和歌山の高嶋監督です。
甲子園での監督としての最多勝利記録を更新中の方です。
甲子園のスコアボードに『佐渡』の二文字が。。。
いつかこんな日が来るとは、夢にも思っていませんでした。
試合前の応援団席への挨拶です。
海をイメージした、青を基調とした佐渡高校のアルプススタンドです。
「さぁ、行こーぜ!」
いよいよ試合開始です。
佐渡高校の大応援団を正面に受け、エース・鎌田君が智弁和歌山打線に挑みます。
2回表終了時、佐渡高校の校歌が場内に流れます。
アルプススタンドに現れた佐渡の“海原”です。
高校時代。
校歌なんてほとんど歌ったことが無かったんですが、こんな場所で聞く校歌にはやはり胸を打たれます。
緊張の立ち上がり。
内野陣の足が動かないうちに2点を奪われ、攻撃の方も1、2回と三者凡退。
しかし、3回の攻撃にはランナーを三塁まで進めました。
そして4回。
チームとして、佐渡勢として初めての安打を左前へ放ったのは2番の和田君です。
さらに、続く3番の鈴木君が左中間を深々と破る二塁打。(残念ながら三塁寸前で憤死)
一走・和田君が長躯生還。
佐渡高校に待望の1点が入りました。
1点差となった直後の5回の攻防は見ごたえがありました。
両チームとも美技を連発。
序盤は余裕の見られた智弁和歌山も、“必死”のプレーが続きます。
しかし、さすがは智弁和歌山。
6回は併殺で二死無走者となってから、繋いで繋いで4得点。
勝負どころは簡単には譲ってくれません。
智弁和歌山先発の左腕・青木君。
1点を返されてからは変化球を効果的に織り交ぜ、8回で降板するまでに12個の三振を奪いました。
終盤、毎回のように訪れるピンチにマウンドに集まる佐渡高校の内野陣。
しかし、その表情に暗さはありません。
鎌田君を中心とした、鎌田君を支えようとする“一体感”がスタンドからも見て取れました。
頑張れ!鎌田君!
大差を追って佐渡高校も必死の反撃を試みますが…
やはり智弁和歌山の分厚い牙城はなかなか崩すことは出来ませんでした。
佐渡高校のリードオフマン・石見翔君。
ヒットこそ出ませんでしたが、随所に好守を見せてくれました。
スタンドから観戦していて一番私の目を惹いたのは彼の動きでした。
戦っているのはグラウンドの9人だけではありません。
ベンチの控えのメンバーも一緒に戦っていました。
8-1で迎えた9回表。
またまた訪れた大ピンチの場面。
“輪”になって元気と勇気を与え合っています。
細身ながら、躍動感あるフォームで力投する鎌田君。
打たれはしましたが、最後まで逃げることをしない堂々としたピッチングでした。
試合はあっという間に最終回です。
最後の攻撃。
内野安打と四球で無死一二塁のチャンスを迎えますが…、
走塁ミスもあり、とうとう二死まで追い込まれました。
5番の相田君はフルカウントまで粘りますが…、
最後は三塁ゴロでゲームセット。
佐渡高校の“初めての甲子園”は終わりました。
結果は8-1。
点差どおりの力の差を見せつけられましたが、しかし、それは充分に詰めることの出来る差にも見えました。
智弁和歌山が甲子園で歌う60回目の校歌です。
智弁和歌山はセンバツの通算勝利数も20となりました。
力は出し切ったでしょう。
アルプススタンドへ一礼する佐渡高校の選手に、大きな大きな拍手が送られていました。
「21世紀枠」からの出場ということで、色々な面で注目を浴び、選手や監督さんにのしかかった重圧は相当なものだったと思います。
しかし、この日の試合を見て、そんな重圧にも臆することなくひたむきに白球を追い、常に全力でプレーする姿とがとても印象的でした。
不覚にも試合終了後には涙が出てしまいました。
歳のせいか涙腺が緩くなってしまったのは否めませんが、この涙は、佐渡高校野球部のプレーする姿そのものから受けた「感動」にほかなりません。
試合は勝負を決するための儀式ですから、勝ち負けがあるのは仕方ありませんが、勝敗以外の部分で勝っている部分は多々あったと思います。
ひとつだけ、個人的に勝手なことを言わせてもらえるとすれば「もっとバットを振ってほしかった」という部分です。
この日のために、そして「この1球」のために、今日まで何万本のスイングをしてきた訳ですから、見逃しの三振はして欲しくはありませんでした。
さて、この試合が終わった瞬間から、もう夏に向けての戦いが始まりますね。
今年の夏は、日本文理、新潟明訓という“2強”と並んで他校からマークされることは間違いありません。
特に夏の大会となると、どのチームも格段に力をつけて来ますから、その中を勝ち上がるということは並大抵のことではないでしょう。
もちろん、そんなことは選手の皆さん自身が一番よくわかっていることかと思いますし、目標は明確でしょうから、頑張って欲しいと思います。
「頑張って」なんて、月並みの言葉しか送れませんが、
この日の試合で皆さんからもらったたくさんの感動や、言葉にならないたくさんの思いをこの言葉に込めたいと思います。
最後に、選手の皆さん、監督さん、それを支えた5,000人のアルプス応援団と、佐渡高校を応援していた皆さん、本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
佐渡島民であることをとても誇りに思います。
【がんばれ東北!がんばれ日本!がんばれ佐渡高校!】