かれこれ10年近くぶりの立石寺です。
12月23日。
朝イチのカーフェリーに乗り込むと、国道を乗り継ぎながら山形市を目指しました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 16mm 1/800sec F8.0 ISO=100 多分割測光 AWB --
山形県南陽市の
国道13号線です。
周辺はりんご園らしかったんですが、これまではそんなこと知りませんでした。
何度かここを通ったことがあったんですが、今回初めて足を停めました。
記憶では2回くらいしか通ったことのない場所なんですが、よく夢に出てきた場所です。
噛み締めてきました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 26mm 1/640sec F5.6 ISO=100 多分割測光 WB=「山寺ホテル」の看板をグレー点指定 --
当初予定していたより1時間も早く、12時30分には
山寺駅の周辺に到着しました。
有料駐車場に車を停めると、最初に目に入った建物がこちらでした。
「あ、今度来たら、ここに泊まろう」
真っ先に頭に浮かびました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 24mm 1/250sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=住宅の白い壁をグレー点指定 --
前回来た時は、ちょっと離れた無料駐車場に車を停めて歩いてきたんですが、駅側からアプローチするのは初めてです。
目指す五大堂が絶壁の上から見下ろしていました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 35mm 1/125sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=白い壁をグレー点指定 --
記憶よりずっと観光地化していた場所でした。
参拝が有料だったとは、覚えにありませんでした。。。
受付のおばさんの感じが悪いこと甚だしく、ただただ残念でした。
山門をくぐり、足を進めていると若いカップルが私を追い抜いていきます。
その際に会話が耳に入ってきました。
男:「何だあのクソババァ??」
女:「クソババァなんて言っちゃダメ!」
男:「・・・じゃぁ、KSBB」
女:「うん、それならいいよ」
本当にそれでいいのかとも思いましたが、受付のKSBBの態度の悪さにイラっとしたのは私だけではなかったようです。。。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 30mm 1/60sec F5.6 ISO=200 多分割測光 WB=雪をグレー点指定 --
今回、この場所へ来ようと思ったのは、、、
まず、
Ha-Se さんのブログを見て、仙台の光のページェントを1度見てみたいと思ったことが端緒になったんですが、
Ha-Seさんも立石寺に立ち寄られたようで、そこで紹介されていた五大堂からの風景が、手に届きそうなくらい素敵だったためということもありました。
さらに、仙台を目指すなら、この立石寺は“通り道”にもなります。
あまり早い時間に仙台に着いても・・・とも思いましたんで、乱暴な言い方をすれば時間調整にもなったわけです。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 22mm 1/1,000sec F5.6 ISO=100 多分割測光 WB=雪をグレー点指定 --
理由はもう1つありました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 24mm 1/80sec F8.0 ISO=200 多分割測光 AWB --
10年近く前に初めてこの地を訪ねたとき、下山してから麓にある1軒の食堂に入りました。
実はその食堂の前で呼び込みをしていたお姉さんがあまりに可愛すぎたため、危うく一目惚れをしそうになった記憶がありました。
もう1度あの素敵な笑顔を見たいなと…。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 20mm 1/60sec F8.0 ISO=200 多分割測光 AWB --
そんな不純にして必要充分な理由があり、この場所へ再び足を運んだ訳です。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 70mm 1/200sec F5.6 ISO=100 多分割測光 WB=曇天 --
仁王門を過ぎると、順路は「奥の院」を指していました。
前回来た時は工事中か何かで立ち入れなかったので、奥の院の方へと足を進めてみました。
結局、重要文化財なんかもあったんですが、案内看板やら何やらが仰々しいばかりで赴きも何もなく、少々残念な気分になって引き返しました。
本来、眺めも素晴らしいんでしょうけど、日本全国どこへ行っても邪魔をするのは電線でした・・・。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 30mm 1/250sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
滑る足元を気にしながら、五大堂へと向かいます。
ここまでの道中の景色はほとんど記憶に残っていませんでしたが、谷を挟んで聳える山々の姿だけは悲しいくらいに記憶の中のままでした。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 20mm 1/250sec F8.0 ISO=200 多分割測光 AWB --
そして五大堂に到着です。
先に到着したであろう人たちの歓声が先ほどから聞こえてきていました。
こんな断崖絶壁によくこんなものを建てたものだと思います。
一説によると、麓からこの場所に投げ込んだんだとか・・・。
ここへ来る前に先輩が教えてくれた豆知識でした。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 55mm 1/500sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=雪をグレー点指定 --
そして五大堂からの眺望です。
Ha-Se さんの見下ろした景色や私の記憶にあった景色は、もっと雪化粧の濃い景色でした。
ここ数日で雪はずいぶんと減ったそうです。
しかし、胸のすくような景色とはこういう景色を言うんだと思います。
写真中央手前にある橋を真っ直ぐ進んだところが山寺駅なんですが、1台の列車がゆっくりと走っていました。
ゆったりと流れていた時間に同化してしまっていたらしく、電車が走る風景を撮ることも忘れ、ただただボケーっと眺めていました。
【α100】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8ZA SSM】
-- 24mm 1/60sec F11.0 ISO=100 多分割測光 AWB --
【α100】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8ZA SSM】
-- 24mm 1/60sec F11.0 ISO=100 多分割測光 AWB --
【α100】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8ZA SSM】
-- 26mm 1/60sec F11.0 ISO=100 多分割測光 AWB --
入れ替わり立ち代り人がやって来ます。
そんなこともお構い無しに、この景色が見える一角を占拠してしまいました。
確かにこの場所にいた時間はそんなに長いものではありませんでしたが、ずいぶんと長い時間佇んでいたような気分でした。
息を切らせながら上がってきた中年男性3人組の、
「これからどーする?」
「えっ? 降りるしかないじゃん」
「いや、そーなんだけどさ・・・」
こんな会話で我に返り、この場所を後にしました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 22mm 1/320sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
左に見えるのは釈迦堂というんだそうです。
修行者以外の一般の方は立入禁止なんだそうです。
邪念を持った修行者がここを通り、転落死が後を絶たなかったそうです。
転落しない自信が大いにあったので、是非とも行ってみたかったんですが、直後に2回もコケたことを考えれば、行かなくて良かったんでしょう・・・。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 40mm 1/500sec F8.0 ISO=200 多分割測光 AWB --
五大堂でレンズを交換し、右手にはα77+135Z、左手にはα100+2470Zという出で立ちでした。
直後に足を滑らせ、最初の転倒・・・。
目一杯カメラとレンズをかばったつもりだったんですが、135Zのフード(たぶん)が岩に当たり「カーン」と音を立てました。
幸いにも、本日(12月27日)現在異常は無いようです・・・。
肝を冷やしました。
【α100】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8ZA SSM】
-- 40mm 1/60sec F5.6 ISO=100 多分割測光 WB=雪をグレー点指定 --
雪が少なかったことが、かえって滑りやすい条件を生み出していたようです。
若いカップルがとても多かったんですが、あちらこちらで女の子の小さな悲鳴が聞こえました。
中にはハイヒールなんて履いている強者もいましたんで、そりゃコケて当然だろうなと・・・。
そんなことを思っていたら、2度目の転倒です。。。
【α77】+【Sonnar T* 135mm F1.8 ZA】
-- 135mm 1/30sec F2.0 ISO=200 多分割測光 AWB --
この2度目の転倒はダメージが非常に大きかったです。。。
【α77】+【Sonnar T* 135mm F1.8 ZA】
-- 135mm 1/30sec F2.0 ISO=200 多分割測光 AWB --
やはり両手をかばったせいか、変な体制のまま階段をすべってしまい、足首が本来曲がらない方向へ曲がっていくのが見えました。
立ち上がろうとすると左足の膝から下に激痛が・・・。
まともに歩けません。
一瞬「こりゃ折れたかな・・・」と思うほどの痛みでした。
しかし、背後からはカップルが下りてきます。
「あの人コケて痛くて歩けないんじゃない??」
なんて思われるのが嫌で、階段の脇まで歩くと、しゃがんで写真を撮っているフリをしながらカップルをやり過ごしました。
苦痛に顔を歪めながら・・・。
幸いにも、本日(12月27日)現在軽く走れるようにはなったので、さして影響は無いかと・・・。
【α77】+【Sonnar T* 135mm F1.8 ZA】
-- 135mm 1/250sec F2.0 ISO=200 多分割測光 AWB --
道中、私の目を楽しませてくれたのが、道しるべのように置かれていたお地蔵さんたちです。
【α77】+【Sonnar T* 135mm F1.8 ZA】
-- 135mm 1/125sec F2.0 ISO=200 多分割測光 AWB --
頬杖をついているものから、阿修羅像のようなものまで、様々な表情をしたお地蔵さんが並んでいました。
佐渡の古い登山道にもある、1丁ごとの道しるべのお地蔵さんを思い出しました。
下山後、足を引きずりながら向かった先は
「まいどや食堂」さんです。
既に14時を回っていたので、営業も終わった頃だったんでしょうが、入口から顔を覗かせると「どうぞどうぞ」と快く迎えてくれました。
確かに見覚えのある女将さんと一緒に出迎えてくれたのは、素敵な笑顔のあの女性ではなく、いかつい茶髪のお兄ちゃんでした。。。
(茶髪ですが、とても感じは良かったです。念のため・・・)
山菜そばと芋煮のセットを注文し、冷え切った体を温めました。
芋煮がちょっぴりしょっぱかった気もしたんですが、汗をかいた体にはちょうど良かったんだと思います。
お値段は決して安くはありませんが、思った以上にボリュームもあり、さらには女将さんが食後のフルーツにリンゴまでサービスしてくれました。
身も心も満たされる思いでした。
「立派なカメラをお持ちですね。もう少し雪が多いと良かったんですけどね・・・」
と、こちらの心の中までお見通しだった風な女将さんです。
「来年は50年に1度の御開帳の年なので、是非またいらしてくださいね」
と、お菓子を手渡ししてくれながら伝えてくれました。
御開帳は5月〜6月の頃だそうです。
前回来た時は2月ということもあり、雪深かった立石寺です。
「静けさや 岩にしみいる 蝉の声」を体感すべく「次に来るときは初夏がいいな」なんて思ったのも10年近く前のことです。
5〜6月だとまだ蝉の声は聞こえないかも知れません。
案外、次に来ることがあったとして、それはきっと冬のような気がします。