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旅写真先日、川崎に住む姉のところへ遊びに行き、甥っ子に遊んでもらいました。
時間があれば、東京湾を突っ切り房総半島の果てまで行ったり、川崎の工場夜景撮影にも出かけたりと・・・、いろいろなことを企んでいたんですが、
結局は
「海ほたる」へ行けたくらいでした。
しかも、そういう日に限って曇り空に霞んだような天候で、全然眺望もきかなかったり・・・。
まぁ、甥っ子はテンションが上がりっぱなしで楽しそうにしていてくれたので、それはそれで良かったんですが・・・。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 40mm 1/1,250sec F4.5 ISO=100 多分割測光 AWB ピクチャー・エフェクト=ミニチュア --
佐渡へ帰る日の朝、甥っ子を連れて周辺を散歩してみました。
桜が咲き始めていました。
前の日もこれくらい晴れてくれたら・・・と思うような快晴でした。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 16mm 1/125sec F8.0 ISO=100 多分割測光 AWB ピクチャー・エフェクト=ミニチュア --
団地やアパートに囲まれた一角にあった公園です。
整備中とのことで、周りにはバリケードが置かれ、立ち入ることはできなくなっていました。
甥っ子も、この場所でみんなと遊べる日が来るのを心待ちにしているようです。
(・・・私が帰るときにここを通ったら、大勢の親子がお構い無しに入っていましたが・・・)
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 60mm 1/320sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
姉と甥っ子のお見送りを受けて、川崎市を後にします。
さて、どうやって帰ろうかと・・・。
南武線から小田急線に乗り換え、向かった先は
「千歳船橋駅」でした。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 16mm 1/100sec F8.0 ISO=100 多分割測光 AWB ピクチャー・エフェクト=ミニチュア --
この駅に最初に降り立ったのは、もう今から10年ほども前のことです。
当時はこんな立派な駅構内ではなく、高架化する前の踏み切りの脇にある小汚い駅でした。(小田急電鉄の皆さん、すみません・・・)
大学新卒で入社した営業会社を辞め、失意の中にいた頃でした。
ちょうど、佐渡の実家が一時的にこの世田谷へ移動した頃で、プー太郎になって出戻ってきた状態でした。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 16mm 1/320sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
最初の頃は何をする気にもならず、少ない退職金で飲んだくれていたり、バイトを探すこともしませんでした。
近くを走る環状8号線の車の音を聞きながら、空ばかり眺めているような日々が続きました。
毎日することもなく、部屋にこもりがちだったんですが、
「このままではいかん!」
ということで、色々なバイトを始めてみたりしました。
引っ越し屋。
求職情報誌の営業。
運送会社の短期。
そして怪しいアンダーグラウンドな事務処理と・・・。
そうこうしているうちに、新しい人間関係も生まれ、色々な場所へ飲みに行ったり野球チームに入れてもらったり、
最初のうちはどんよりとした風景しか見えなかったこの“東京”が、いつしか居心地の良い場所へと変わっていきました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 50mm 1/320sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
千歳通りです。
最初のうちは、ヒマつぶしにTSUTAYAへ通うためによく通った道でした。
灰色に見えた通りが、いつしか桜の咲き誇る通りと気づいたのは東京へ来て2度目の春を迎えた時でした。
(まぁ、桜は春にしか咲きませんから、1年目は単純に気づかなかっただけかもしれませんが・・・)
引っ越しバイトの帰りに、仲間と原チャリを飛ばしてうどん屋へ行った道です。
デートの最中にお腹を壊し、この通り沿いの公園のトイレに駆け込んだこともありました。
そして、毎週土曜日に、お気に入りのラーメン屋へ通った道です。
当時にしてみれば何とも思わなかったこの通りですが、こうして時間を経て立ってみると色々な思い出が脳裏をよぎります。
「千歳通り」「世田谷通り」「駒沢通り」
色々な“街道”があることを知ったのは、引っ越しのバイトの時です。
すぐに忘れてしまわないように、帰り道や休日には位置確認に走りました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 60mm 1/640sec F4.5 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
この日は千歳船橋駅を出てから、ゆっくりとこの通りをかみ締めて歩きました。
当時は原チャリで突っ切るばかりの通りだったので、こんな風にのんびりと歩いたのは本当に久しぶりのことです。
いよいよ満開になろうとしている桜を見上げて「こんなに桜が咲いていたんだな・・・」とか、
通りの石垣の上の住宅地を眺めながら「あそこへ上がってみたことはまだ無かったな・・・」とか、
砂埃を上げながらの歩道の工事を横目に「相変わらず、どこかで工事しているな・・・」とか、
不意にとある瞬間「あっ。この風景見覚えがある・・・」とか、
かつて古本屋があった小さなビルの前で「ここで『キン肉マン』全巻揃えたな・・・」とか、、、
色々なことを考えながら、思い出しながら歩いてみました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 16mm 1/640sec F5.6 ISO=100 多分割測光 AWB ピクチャー・エフェクト=ミニチュア --
当時通い詰めた
「百麺 世田谷店」に久しぶりに足を運んでみました。
最近では、5〜6年くらい前に同級生と来たのが最後だったと思います。
太麺に、ラフティ、卵、海苔、もやし。
往年のお気に入りをトッピングして、ちょうど1,000円です。
「同じ価格でネギも追加できますが・・・」
お店の方の親切なご案内を丁重にお断りします。
確かこのメニューで食券を買うと1,000円を少しオーバーしたような気がしていたんですが、値下げしたのかな??
なんて思いながら。
当然のように当時のスタッフとはまったく顔ぶれも違い、時間の流れを感じました。
1,000円ちょうどで済んだ理由に気付いたのは、スープまで飲み干した時でした。
「大盛りにするの忘れた・・・」
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 70mm 1/640sec F8.0 ISO=100 多分割測光 AWB --
いわゆる「農大通り」という小路を歩き、経堂駅へと向かいます。
季節と天候のせいだったんでしょうけど、そこを歩く保育園児や学生・・・。
見るものすべてが希望に溢れているように見えました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 55mm 1/800sec F5.6 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
中央本船の沿線沿いです。
営業職のバイト先が市ヶ谷だったものでこの界隈もよく歩いた場所です。
何故か少数精鋭のプロジェクトメンバーに引き込まれ、メンバーの顔合わせも兼ねてお昼へ出かけたことがありました。
「あの店が良い」とか「あの店はどう??」とか、結局まとまらず、この道を歩いて向かったのは法政大学の学食でした。。。
昨日までは顔を合わせたこともない、話したことも無い人間同士で輪になって食事をしたり、あれやこれやと話をしたり・・・。
自分が東京にいるということも含めて、何とも言えない不思議な感覚を何度も味わいました。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 70mm 1/640sec F4.5 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
また、当時付き合っていた彼女は新潟の人で、たまに東京へ遊びに来てくれた時などは、送り迎えに中央線に乗りました。
迎えに行くときの景色と、見送った後の帰り道の景色と・・・。
同じ景色なハズなのに全然違う景色を見ていたような。
まぁ、帰り道は景色なんてあまり目に入っていなかったんでしょうね。
この沿線の風景も、色々な思いとともに記憶に刷り込まれています。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 80mm 1/640sec F5.6 ISO=100 多分割測光 AWB --
春以外の季節にここを歩くたび「桜の季節に歩きたい・・・」と思っていたんですが、ようやく叶いました。
でも、もう少し満開に近い頃にもう1度歩いてみたいですね。
とりあえず、例年より早い桜前線の北上に感謝です。
【α77】+【Vario Sonnar T* DT16-80mm F3.5-4.5 ZA】
-- 16mm 1/100sec F8.0 ISO=100 多分割測光 AWB ピクチャー・エフェクト=ミニチュア --
最後は御茶ノ水駅から聖橋を望んで・・・。
たまにこういう機会があると過去を振り返る時間があるんですが、その都度思うことが
「あの頃に比べたら今は・・・」
ということです。
当然、あの頃のようなバイト暮らしに比べたら、今はちゃんとした定職に就き、“平凡”と呼べるような日常もあります。
趣味もあって、趣味の時間も何とか確保していますし、年に何回かハメを外しに島外へ出ることもできます。
断然、今の方が良いに決まっていると思います。
・・・が、たまに鼻をくすぐる懐かしい匂いに混じって強烈に蘇ってくる記憶や突き動かされるような“あの感覚”は何なんでしょう。
先日、久方ぶりの再会を果たした友人との時間に感じた、「今、楽しい!」と思えるような瞬間や、ある種の高揚感やワクワクする感じ・・・。
そういったものを感じられることが自分自身の中で少しずつ減って来ているような気がしてなりません。
大なり小なり時間と経験を重ねれば、初々しい感覚などに巡り合うことも少なくなるのは仕方のないことかと思います。
でも、そんな風に自分自身を納得させてしまうことすらも寂しいような・・・。
逆に、そんな感覚に会いたくて、年に何回か放浪してみたくなるんだと・・・。
ま、そんな色々ですが、仕事や日常の合間をぬってそんなことを考える時間があるだけ、幸せなんでしょうね。