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地域/ローカル
窓の下を流れる湯檜曽川の激しい流れの音で目が覚めました。
前日に引き続き快晴模様です。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 28mm 1/5sec F22.0 ISO=50 多分割測光 WB=曇天 --
朝陽を浴びて煌めく湯檜曽川です。
朝食前にちょこっと散歩に出てみました。
実は今回の台風でこの川も大幅に増水したそうです。
(対岸に見える石垣の上のコンクリのラインのさらに上まで増水したんだそうです)
「旅館に取材も来たんですよ。周りには避難する人もいました。私んとこは逃げませんでしたが」
とは、旅館の大女将です。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 30mm 1/125sec F11.0 ISO=200 多分割測光 AWB ピクチャー・エフェクト = HDR絵画調 --
ここを通るたび、いつか撮りたいと思っていた上越線の橋梁です。
ようやく念願が叶いましたが、残念ながら車道の橋が架け替えの工事中だったようで、物々しい雰囲気になっていました。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/125sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=太陽光 --
この水上〜湯檜曽〜土合にかけては、もう何度となく通ったルートです。
しかし、大抵は日帰りか車中泊であったので、今回のように宿に泊まるのはまだ3度目のことです。
今後、さらに回数は増えることと思います。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 40mm 1/8sec F22.0 ISO=50 多分割測光 WB=曇天 --
橋に立って上流側を望みます。
雲ひとつない、真っ青に晴れ渡った空でした。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 35mm 1/80sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
湯檜曽の温泉街です。
温泉街といっても、前日訪ねた草津温泉のように賑やかな雰囲気はありません。
既につぶれたホテルのような建物もありました。
まぁ、個人的にはこれくらいのありふれた日常を感じられるようなところが好きですね。
通過するたび、いつか宿泊してみたいと思っていた場所でした。
念願とは、いつも唐突に叶うものです。。。
【α99】+【50mm F1.4】
-- 50mm 1/80sec F2.8 ISO=800 多分割測光 AWB --
朝食には、本当に“こごめ”を出していただきました。
「旬ではないんですけど、春にどっさり採って、これでもかというくらいに塩をして地下の保管庫で保存しているんですよ」
だそうです。
それでも、歯ごたえも香りもバッチリです。
昨夜の夕食は釜飯で
「火が消えるまで開けないでくださいね」
とのことだったんですが、やっぱり朝食には白いご飯がありがたいです。
私たちの朝食が最後だったそうです。
・・・と、いいますのも、私の“朝の散歩”が若干長引いてしまいまして、早速「主様」からは
「8時までに帰れっつっただろーが・・・」
と、睨まれてしまいました。。。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 50mm 1/100sec F2.0 ISO=400 多分割測光 WB=曇天 --
朝食後のコーヒー1杯をすすり、そして出発です。
気さくな女中さん。
美人の若女将。
存在感たっぷりの大女将。
皆さんにとても親切にしていただきまして、とても満足をさせていただきました。
この場を借りてお礼を申し上げます。
(あと、カッチョイイ「布団マスター」も・・・。私たちが勝手にそう呼んでいただけですが・・・)
残念ながら写真に収めることはできませんでしたが、私たちをお見送りしてくださった3人の笑顔がとってもとっても素敵でした。
また近辺へ来ることがあったら、必ずこのお宿へ戻ってきたいと思います。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/100sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=曇天 --
そして向かう先は「谷川岳・一ノ倉沢」です。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/100sec F3.2 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
実は前日、宿へ到着した時点で、一旦一ノ倉沢の夕景を見に行こうと目論んでいました。
ところが
「ロープウェイより先は完全に車両通行止めですよ」
と、大女将です。
確か、以前も期間限定的にそんなことはあったと記憶していたんですが、これは初耳でした。
「えっ?? 全然車入れないんですが??」
と問い返しても
「ロープウェイから歩いていただくか、1時間に1本のマイクロバスに乗るしかありませんねぇ・・・」
と。
そんな訳で、夕景は断念したところでした。
ま、行ってみればわかることと、車を走らせロープウェイに到着です。
で、結局、車両は完全通行止めでした。
「あちらから1時間ごとにマイクロが出ますんで、そちらに乗っていただくか、歩いていただくかになりますね」
ゲート付近にいた女性の案内人の方が教えてくれました。
「歩くとどのくらいですか??」
「だいたい40分くらいですね。今さっきバスが出て行ったので、歩いて行かれた方が早いですよ」
と。
ゲート付近には大きな熊の毛皮がぶら下がっていたので
「熊は大丈夫ですか??」
とお聞きすると、
「このあたり一帯が住処になってますけど、今日は大丈夫だと思いますよ」
と。
一体“今日”の“どのあたり”が大丈夫なのかが大いに気になりましたが、既に戸隠でも相当の距離を歩いていましたから、40分程度を歩くことに大した抵抗はありませんでした。
「熊出没注意」
という一抹の不安はありましたが、今回は舗装道路でもありましたし・・・。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/100sec F3.2 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
歩きました。
まだ時間が早かったので気温もさほど高くもなく、一ノ倉沢を迎えてカメラ・レンズともにフルセットを背負った私にとっても、造作のない道のりでした。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 35mm 1/100sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=曇天 --
歩き始めて概ね20分です。
マチガ沢に到着しました。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 60mm 1/100sec F11.0 ISO=100 多分割測光 WB=太陽光 --
ここの岩壁だって、佐渡では見ることのできない見事なものです。
「主様」も、「ほーっ」と声をあげていましたが、私的には、この岩壁の非ではない一ノ倉沢を見た時の「主様」のリアクションが気になるところでした。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 50mm 1/40sec F3.2 ISO=200 多分割測光 WB=日陰 --
さらに歩くこと約20分です。
コーナーを曲がると、木々の隙間から一ノ倉沢の絶壁が見えてきました。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 55mm 1/200sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
万年雪(数年前に来た時には枯れていましたが・・・)をたたえる一ノ倉沢です。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 35mm 1/200sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
ここへ到着する直前に、マイクロバスが私たちを追い抜いて行きました。
写真でその迫力をお伝えできないのは私の不徳の致すところなんですが、頭上に覆いかぶさるかのような、背筋に寒気が走るかのような大絶壁です。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/200sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
「主様」の、それはもう凄まじいものを見た・・・というようなリアクションを期待していたんですが、案外冷静に見えました。
「いや、確かに凄いよ」
とは「主様」ですが、”確かに”って何よ?? と独りよがりな私は思ってしまいました。。。
腰を抜かすか、顎を外すくらいはしてほしかったんですけどね。。。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/13sec F22.0 ISO=50 多分割測光 WB=曇天 --
【α99】+【50mm F1.4】
-- 50mm 1/200sec F1.7 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
一ノ倉沢を正面に見上げるポイントを過ぎると、供養のためのプレート群が並びます。
【α99】+【50mm F1.4】
-- 50mm 1/250sec F1.7 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
この大絶壁に魅せられ、取り付き、そしておびただしい数の命が失われました。
【α99】+【50mm F1.4】
-- 50mm 1/250sec F1.7 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
目の前の大絶壁は、大袈裟でなく、世界でいちばん人の命を飲み込んできた岩壁なんですよね。
観光客然として、この日この場所に足を運んだ私たちと、命を張ってこの岩壁に臨んだ方々の差とは一体何だったんでしょうか??
岩壁に挑んだからといって勇敢だったとは思いませんし、下から見上げるだけでここを去ったことが臆病とも思いません。
大絶壁は、ただ悠々と私たちを含め、今日この場所を訪ねた多くの人を見下ろしているだけでした。
【α99】+【50mm F1.4】
-- 50mm 1/320sec F1.7 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 24mm 1/160sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
いつの間にやら、河原には人の姿が。
「登山靴さえ履いていれば、ロープウェイから山頂までは誰でもいけるわよ〜」
ご夫婦の奥様がおっしゃっていました。
駐車場付近では、記念写真を撮っていた中高年と思しきグループの方がいらっしゃいました。
「まさか、こんな岩場を登ろうと思う人なんていないでしょ??」
きっとこの場所のことを何も知らずに来た方なんでしょうね。
そんな会話が聞こえてきました。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 55mm 1/160sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
そんな中、河原の奥から1人のクライマーが降りてきました。
全身汗だくになって、カラビナやらハーケンやらをチャリチャリ鳴らしながら降りてきました。
朝一番で岩壁に取り付いたものの、ルートに迷ってしまい、さらには水分が不足したために下山してきたんだそうです。
無事で何よりでした。
【α77】+【70-400mm F4-5.6 G SSM】
-- 270mm 1/320sec F8.0 ISO=100 多分割測光 WB=曇天 --
この日の一ノ倉沢は、ヘリコプターの音で騒々しいものでした。
何度も何度も旋回し、この岩場に接近してはまた旋回を繰り返していました。
“事故”でなければ良かったんですが・・・。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 30mm 1/160sec F11.0 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
様々な思いが交錯する中を、帰途につきました。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 70mm 1/200sec F3.2 ISO=200 多分割測光 WB=曇天 --
「車両通行止め」は想定外でしたが、お陰でこのルートを歩くことも出来ました。
【α99】+【Vario Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM】
-- 70mm 1/50sec F4.0 ISO=200 多分割測光 WB=日陰 --
先ほどお会いしたご夫婦の後を行きます。
奥様は色々と話をしてくれたんですが、旦那様は隣で柔らかな笑みを浮かべるだけでした。
後姿から・・・。
重い荷物は旦那様が。
そして、きっとこの時も奥様は色々なお話を旦那様にしていたんでしょうね。
賑やかそうな奥様でした。。。
いつもどんな時もそうなんですが、帰路は早かったですね。
道中、「主様」が私の先を行き、たまに“どんぐり”を大量に投げつけてきたりするものですから、時間を忘れたんでしょう。
熊に出くわすこともなく過ぎた2時間の往復路でした。
ところで、この一ノ倉沢ですが・・・。
次回来たら、私は河口から40分くらいにある「ひょんぐりの滝」まで行ってみたいなと思います。
登るつもりなんてさらさらありませんし(そもそも不可能・・・)危険を冒すつもりもありませんが。。。
ただ、衝立岩をもう少し間近に見てみたいなと思うだけです・・・。