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四半世紀ぶり北海道の旅 X (小樽発新潟行き)

2020.09.14 Monday

 

小樽市を出発し、約1,500kmの行程を経て小樽市へ戻って来ました。

 

不思議なもので、訪問前は、地図だけではなかなか方向感覚だとかを含めた未踏の地のイメージができないものなんですが、

1度足を踏み入れてしまうと、概ねのところ方向や位置関係が分かるようになります。

4日ぶりの小樽市でしたが、ここまで片時も離さずにいたgooglemapのナビをオフにし、自らの意志だけで行きたい方向へと走ります。

 

小樽駅前のレンタカー店に車を返す前に、小樽運河の周辺で昼食を取ったり、お土産を購入し佐渡へ送ったりしていました。

最後は、4日前に歩いた道を辿るように車を走らせて坂の上にあるレンタカー店に到着しました。

レンタカー店のお隣にあるガソリンスタンドで待ち受けてくださっていたスタッフの方がさっそく近づいてきてくれました。

 

「1,500km?? いやー。結構走りましたねーっ」

「はい。走りました」

「傘、お忘れにならないでくださいね」

「傘、お店で使いません?? 私、もう必要ないので」

「よろしいんですか??」

 

まぁ、傘につきましては、お店としても積極的には必要なかったんでしょうけれど、引き取ってくださいました。

車輛のチェックも、「本当にチェックしたの??」と思うくらいチャッチャと済んだようで、とても快適に手続きが済みました。

また次回の北海道旅行は、トヨタレンタカー小樽駅稲穂2丁目店さんにお願いをしたいと思います。

 

小樽駅へ向かい、そこからフェリーターミナルまではタクシーで移動しました。

寺島 進 さんを髣髴とさせるような、ちょっと悪そうなおじさんが運転手でした。

 

「小樽港までお願いします」

「はいよ…」

「…」

「…」

 

(ちなみに、私は積極的に会話を楽しんだりするタイプではありませんので、自分からは運転手さんに話しかけたりはしません)

 

「…」

「…新潟??」

「え?? あ、はい。新潟です」

「…そう」

「…」

「…」

 

(空気が重たく感じたため、切り出してみました)

 

「れ、連休中は、人は、どうでしたか??」

「あ?? 来たよ。それなりにな」

「そ、そうですか。"Go To "もありましたしね」

「まぁな」

「…」

「…」

 

(約5分程度の重たい空気ののち、フェリーターミナルに到着です)

 

「…」

「16時??」

「16時です」

「あ、そう」

「えぇ」

「…」

「(トランクから荷物を出してもらいながら)ありがとうございました」

「新潟の人??」

「はい」

「じゃあ、またすぐ来れんじゃん」

「はい。またすぐ来ます」

「…」

「…」

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/4000,F2,iso100]

 

ターミナルでフェリーの出港を待つ時間はそんなに短くはありませんでした。(1時間程度)

何をする気にもならず、待合室の椅子にふんぞり返るように座ってスマホなんかをいじっていたんですが、時間が経つのは早かったです。

4日目にとんでもなく長く感じた通路を、今度は逆方向へ進みながら乗船しました。

来た時ほどに長く感じなかったことも不思議でした。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/4000,F2,iso100]

 

小樽港を出港し、沖合にある防波堤の隙間をぬって大海原へと出ていくところです。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/4000,F2,iso100]

 

写真左手前に、あの長い長い通路が写っています。

4日前の朝、低く雲が垂れ込める中、ここ小樽港へ入港してきました。

あっという間のような、ずいぶんと昔のことのような、変な感覚を整理できずにいました。

 

ただ、「疲れたなー…」と。

「あっという間だったなー」と。

ボーっとする頭の中はそんなことばかりを考えていました。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/5000,F2,iso100]

 

そして、防波堤を越えます。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/8000,F2.8,iso100]

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/5000,F2,iso100]

 

「さよなら小樽」

「さよなら北海道」

またすぐに戻って来られるとを願って…。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/8000,F2,iso100]

 

出港から1時間30分後です。

そういえば、夕焼けなんかを見たのは久しぶりな気がしていました。

 

往路は、とても良い子にしていました。

船内でお酒なんて飲もうとすら考えませんでした。

しかし、帰路では、乗ったすぐそばからレストランへ駆け込み、お刺身を注文し、レモンサワーと生ビールをセットでオーダーし続けました。

なので、この頃にはすっかりと出来上がってしまっていて、あとは客室へ戻って寝るだけというような状態でした。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/800,F2,iso100]

 

そんな、酩酊状態になろうとしていた私の視界に飛び込んできたのは午前中に訪れた神威岬でした。

5日間を過ごした北海道を経ち、既に"ロス"が生じていた頃でした。

思いがけず、見覚えのある景色が目の前に横たわり、救われるような思いでした。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/8000,F2,iso100]

 

翌朝7:43です。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/8000,F2,iso100]

 

遠くに島影が見えるような気がしますが、どのあたりなのかわかりません。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/125,F2.8,iso100]

 

フェリーはこのあたりを通過中だったようですが、往路と異なり、飛島も粟島も見つけることができませんでした。

…と、言いますのも、周辺はようやく晴れ間が覗いていましたが、それまでは激しい雨のため視界は限りなく遮られていました。

エントランスの大型のモニターには、氾濫した最上川の様子が映し出されていました。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/250,F11,iso100]

 

その影響があってか、広範囲に渡って濁りが生じていました。

最上川に限らず、日本海沿岸地域の川から流出した土砂が日本海へ流れ出ていました。

前方彼方に、新潟港や佐渡の島影が見えてきました。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/160,F11,iso100]

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/250,F11,iso100]

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/800,F11,iso400]

 

そして、新潟港へ着岸です。

予定されていた到着時刻とは、寸分の違いもありませんでした。

陸上では、数10年に1回というような降雨災害が発生していましたが、海上については平穏な時間が流れていたようです。

しかしながら、降雨災害で被災された皆様におかれましては、この場をお借りしてお見舞いを申し上げるところです。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/500,F11,iso400]

 

新日本海フェリーターミナルから佐渡汽船ターミナルまでは、車で10分程度です。

いつもは最後の最後に下船口へ向かうんですが、この日は間違いなくタクシーに乗るため、いのいちばんに下船しました。

 

タクシーの運転手さんがこれまた親切な方で、小樽市のちょいワル運転手が懐かしく思い出されました。

 

「お客さん、佐渡へはお昼のフェリーですか??」

「ええ。この時間だと、それしかないんじゃなかったでしたっけ??」

「急げば、ジェットに間に合いますよ」

「間に合います?? 間に合うなら、お願いしてもよいですか??」

「わかりました。頑張ります!!」

 

お陰様で、思ったよりも早くに帰宅することができました。

本当はカーフェリーで2時間30分、新日本海フェリーの乗り心地と比べながら写真の整理でもしながら過ごそうと思ったんですが、

早々に切なくなってしまいそうだったので、ジェットフォイルで風を切るように未練も断ち切ってもらって良かったと思います。

頑張っていただいた運転手さんには感謝申し上げます。

 

四半世紀ぶり北海道でした。

四半世紀前の修学旅行は、バスの移動時間はやたらと長かったんですが、移動した範囲はごくごく限られた部分でした。

それほどに広大と思っていた北海道ですが、今回、自分の運転で走らせていただき、広大ではありますがある程度の移動は可能なんだなと…。

北海道には179の市町村があるそうですが、今回は59の市町村を走破しました。

単純に1/3を走破したことになりますが、再訪したい場所もたくさんありますし、気のすむまで訪ねたいと思います。

 

差し向き、、、

今は、今すぐにでもまた飛んでいきたいこの衝動をどのように抑え込もうかと悩んでいるところです。

 

 

 

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四半世紀ぶり北海道の旅 IX (函館市→R229→小樽市)

2020.09.13 Sunday

 

四半世紀ぶりの北海道の旅も実質的に最終日を迎えました。

この日はまさに"時間との勝負"になることが予想されたため、朝からある種の緊張を感じていました。

 

この日の行程表に書かれた移動距離は約300km。

おおよその所要時間は5時間です。

函館市から積丹半島を経由して小樽市へと向かう予定でした。

小樽港を16時に出港する新日本海フェリーに乗船するため、遅くとも15時には小樽市に戻りたいと思っていました。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/25,F16,iso100]

 

いきなり話は逸れますが…。

とにかく、この旅行中はずっとこの電光掲示板でした。

最初に小樽市から稚内市へ向かう道中も、稚内市から旭川市へ向かう道中も、それ以外の道中も、すべてです。

とにかく、どこへ行っても「ウポポイ」一色でした。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/25,F16,iso100]

 

しかも、定期的に英語版に切り替わります。

ウポポイ(UPOPOY)って何?? 一体何なの?? 安全運転の神様なの??

気になって気になって、安全運転どころではありませんでした。

(「安全運転どころではありませんでした」は極端に誇張した表現です。念のため)

 

実はこの「ウポポイ(UPOPOY)」。

つい先日の新聞にも記事になっていました。

民族共生象徴空間という、国立のアイヌ民族に関する博物館らしいですね。

「白老」には聞き覚えがありましたが、四半世紀前の修学旅行で「白老ポロトコタン」という博物施設を訪れていました。

その博物施設を大幅にリニューアルしたものが、この「ウポポイ(UPOPOY)」だったんですね。

 

前々日、旭川市から室蘭市を目指す道中に再接近していました。

そのときは、100km手前から「あと◯km」の看板が、10km手前からは「駐車場まで◯km」の看板が立っていました。

今回はスルーしましたが、北海道の地名等はアイヌ語に由来しており、語源を辿ることも面白そうと感じているところです。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/100,F11,iso100]

 

…と、北海道にいた時間は「ウポポイ(UPOPOY)」な時間でもありました。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/8000,F2,iso100]

 

移動時間の短縮を図るため、この旅行中唯一の高速道路にも乗りました。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/200,F11,iso100]

 

最終日は、ご覧のような快晴に恵まれました。

北海道の厳しい気候が育んだ積丹半島の奇岩・怪岩が並ぶ断崖絶壁の道を行くには絶好のコンディションでした。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/200,F14,iso100]

 

「それにしても…」と、息を飲むような断崖絶壁が続きます。

 

「国道229号が周回する積丹半島は、国道指定以来、険しい海岸食との戦いに明け暮れる区間であり、膨大な数の旧道が失われ続けてきた

上記はWikipediaからの引用ですが、「膨大な数の旧道が失われ続けてきた」の記載には萌えっとしてしまいます。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/8000,F2,iso100]

 

事実として、目の前には100〜200mもあろうかという断崖絶壁が続き、現道の海側には必ずと言ってよいほどに

旧道と呼ばれるトンネルや覆道が並んでいました。

幼い頃は"お絵描き帳"の最初から最後までトンネルや高速道路の絵を描き続けるほどのトンネル好きで、

現在は廃道にロマンを求める身としては、この上なく刺激的で萌え萌えする道中でした。

 

その一方で、平成期には人々の記憶に大きく残っているであろう大事故が発生した道路でもあります。

まったく異なる2つの思いを抱きながら、断崖絶壁に続く数多くのトンネルと、その隙間から覗く絶景の道を行きました。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/5000,F2,iso100]

 

窓岩という奇岩が見えてきました。

写真を撮ろうと減速して路側帯に入ったところ、2台のバイクが私を追い抜きました。

その際、2人揃ってハンドサインを送ってくれたんですが、それが格好いいの何のって、

バイカーの皆さんのマナーの素晴らしさには、とても爽やかな気持ちを覚えます。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/5000,F2,iso100]

 

さらに、前方彼方には、この日の最初の目的地である神威岬が見えてきました。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/320,F8,iso100]

 

神威岬の先端にある神威岩です。

岬の遊歩道では、この岩が見えるところまで歩を進めることなく次の目的地へ向かいました。

今回の北海道の旅で、私が最後に見ることになる景色は、この神威岩の景色でした。

この時は、まだそのことは知る由もありません。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/160,F11,iso100]

 

その、神威岬へと続く遊歩道です。

道中には「女人禁制の門」があったりもします。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/125,F11,iso100]

 

馬の背のように続く稜線に沿って遊歩道は続いています。

とにかく、終着地である小樽市へ時間内に到着することを最優先していました。

足早に歩を進めます。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/80,F11,iso100]

 

実際、ここへ至るにあたっては大きな決断をする場面もありました。

それは、岩内町で、そのまま積丹半島沿いに進むのか、ショートカットするのかという選択でした。

それまでの道中があまりに順調だったこともあり、半ば断念しかけていた神威岬にせめて足跡だけでも残せたことは幸いでした。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/250,F11,iso100]

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/160,F11,iso100]

 

どこまでも青く透明な海に、漁をしているとおぼしき舟が一艘です。

思わず口にしていました。

 

「佐渡みたい」

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/250,F11,iso100]

 

何箇所かあった展望台のうちの1つから、今来た道中の方面を望みます。

湾の向の積丹半島が見えます。

北海道へ来て、その壮大な景色を前に何度呟いたことでしょう。

 

「すごいなぁ…」

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/125,F11,iso100]

 

やがて、何本も連なるトンネルを抜けたところで一際目につく特徴的な岩が見えました。

実際に目にするのは初めてでしたが、これまで何度も画面や紙面を通して見た、とても見覚えのある岩でした。

一瞬、拍子を失ったようになってしまいましたが、すぐに気を取り戻すとウィンカーを出しました。

 

[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/5000,F2,iso100]

 

眼前に迫る豊浜トンネルの古平側坑口手前には、セタカムイ道路防災祈念広場があります。

ここはある意味、今回の北海道の旅の最大の目的地でもありました。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/200,F5.6,iso100]

 

ここには、前述した平成期の大事故の慰霊碑があります。

大事故とは、1996(平成8)年2月10日に発生した「豊浜トンネル岩盤崩落事故」です。

 

TVを通じて被災者の皆さんの生存を祈った8日間を、私は忘れることができません。

画面を通しても凍てつくような寒さが伝わってきそうでした。

あんなに悲しい世界がこの世にあるのかと思えるほど、観ていて切ない時間でした。

あの時、画面の向こう側にあった世界が、今、目の前にある…。

 

TVにはいつも古平側の坑口が映し出されていました。

トンネルに突き立つかのように刺さっていた巨大岩盤。

そしてそれを取り除くための4度にも渡る発破。

悲鳴にも似た被災者のご家族の叫び声とともに、ようやく海へと崩れ落ちる岩盤。

 

警察や自衛隊によって取り除かれた膨大な土砂の下から現れたのは、変わり果てた2台の車両と20名もの帰らぬ人たちでした。

あまりに痛ましく無慈悲な事故として私の記憶に残っています。

 

* * * * * * * * * *

 

建碑趣意

 平成八年二月十日午前八時十分頃一般国道二二九号

豊浜トンネル古平側坑口付近で高さ最大七十米幅最大

五十米体積一万一千立方米に及ぶ大規模な岩盤

崩落が発生し同時刻に通行中の路線バス及び乗用車

各一台が被災し二十名の尊い命が失われるという

悲惨な大事故が起こった

 巨岩に閉ざされ埋まる被災者の安否を気づかい

一刻も早い救出を願って凍てつく寒さの中 夜を

徹して八日間にわたる懸命な救出作業が行われた

 しかしながら 家族や国民全ての願い 祈りも

むなしくこの崩落によって犠牲となられたことは

災禍というには恨みて余りあり まことに悲運と

いうより言葉もない いたましくも悲しい犠牲者の

ご冥福を祈り 悲しむべき教訓として永遠に生かし

伝えるため この碑を建立したものである

                    合掌

平成九年八月

豊浜トンネル崩落事故遺族会(二一〇の会)

 

* * * * * * * * * *

 

慰霊碑には「建碑趣意」として事故の概要が記されています。

裏面には、「犠牲者名」として、この事故でお亡くなりになられた20名のお名前と享年が記してあります。

私たちが修学旅行で北海道を訪れた翌年に発生した事故でした。

いつか北海道へ行くことがあったら慰霊に来たいと願っていました。

やっとここへ来ることが出来ました。

 

インターネットが一般に普及する少し前の事故だったということもあり、正確な記録や情報を知ることが難しくなっています。

この事故に際してご遺族の方々と向き合って取材を重ねられた元北海道新聞の記者である 溝口 徹 氏の著書「氷結の岩」の冒頭には

 

「老朽化とはほど遠いあのトンネルは、なぜ落ちたのか。その理由を知る人は少ない」

「今あるトンネルがなぜ二つのカーブを描いているのかも、知る人はほとんどいない」

と記されています。

 

事故当時、豊浜トンネルは開通から12年しか経っていませんでした。

国は無過失責任を認め、自ら国家賠償をご遺族に提示しました。

それでも、一部のご遺族は敢えて提訴に踏み切っています。

これは、全国の国道トンネルの平均年齢をはるかに下回る豊浜トンネルがこのような崩落事故を起こしたのかについて、

トンネルの設置・管理の責任と、事故の予見の可能性 --- いわば、「事故の本当の理由」 --- を訴えたものです。

しかし国は、「崩落を予測することは困難であった」との事故調査委員会の結論を盾に、過失責任は認めませんでした。

原告の請求は一部認められ、国には慰謝料の支払いが命じられましたが、ご遺族の求めた「本当の理由」についてはうやむやにされています。

 

もう1点。

現在の豊浜トンネルは、事故現場を迂回する形で2本のトンネルを繋ぎ合わせたもので、事故現場は人の目には触れないようになっています。

これは、安全上の観点からルートを見直したことと同時に、ご遺族の方のご要望にも応えた形だそうですが、

一方で事故の記憶まで封印されてしまうのではといった懸念もあるのだそうです。

 

私に出来ることなんて何もありませんが、私はこの事故のことは忘れられそうにありません。

せめて --- たいへん、おこがましいのですが --- いつまでも形にして発信し続けることができたらと思います。

 

改めまして、この場をお借りして犠牲となられた方のご冥福をお祈りいたします。

また、ご家族や関係する皆様には、お悔やみを申し上げますとともに、ご健康をお祈り申し上げます。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/400,F8,iso100]

 

豊浜トンネルを抜け、続く滝の潤トンネルとの僅かな隙間から沖合には再び奇岩の姿が見えました。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/400,F8,iso200]

 

ローソク岩というものです。

昔はもっと太くて大きな岩だったそうですが、1940年の積丹半島沖地震の津波によって半分に割れたんだそうです。

さらに、2016年にも先端の一部が欠けて現在のような鋭利な姿になったとのことです。

厳しい気候による海岸浸食は現在進行形です。

手前に見える頭でっかちの岩や、右側の断崖絶壁も然りです。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/125,F11,iso100]

 

滝の潤トンネルを抜け、続くワッカケトンネルの海側の旧道にはローソク岩展望駐車場があります。

そこまでこの岩に興味があった訳ではありませんが、何となく…。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/400,F8,iso100]

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/125,F11,iso100]

 

そして、ワッカケトンネルを抜けたところから、旧道方向へUターンするように進みます。

積丹半島最後の目的地である、えびす岩と大黒岩です。

この2つの特徴的な奇岩の見事さもさることながら、背後の断崖絶壁には凄みを感じます。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/100,F11,iso100]

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1/100,F11,iso100]

 

ちなみに、こちらの海岸線の一部は私有地となっているようです。

2つの岩の正面にある橋の袂にある民家脇の階段から海岸線に降りたところ、お住いの方から注意を受けてしまいました。

漁港の駐車場に車を停め、そこから砂浜を移動するのが正しいようです。

たいへん失礼をいたしました。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/5000,F2,iso100]

 

そこからさらに走ること約1時間です。

予定よりもずいぶんと早く小樽市街へと戻って来ました。

小樽祝津パノラマ展望台から望む日和山灯台です。

 

4日前の朝、小樽市に到着し最初に目指した場所がこの日和山灯台でした。

低い雲が垂れ込め、気分的にもどんよりとしそうな感じでした。

4日後、見事なまでの快晴の下で、より素晴らしいアングルで再会です。

不思議なもので、4日前は右も左も分からなかったくせに、既に勝手知ったるような感覚を持ち合わせていました。

google先生のナビもここで終了にしました。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/4000,F2,iso100]

 

5日間で約1,500kmを走破してきました。

旅はまだ終わった訳ではありませんが、ここへ来て、この旅の中で初めてホッとした安堵の気分を覚えました。

 

 

 

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四半世紀ぶり北海道の旅 VIII (函館市の夜景)

2020.09.12 Saturday

 

16時41分の函館漁港です。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/400,F2.8,iso1000]

 

お昼前に室蘭市を出発し、休憩も何もなしに一心不乱に函館市を目指しました。

高校の修学旅行でも最後の夜は函館市でした。

 

四半世紀ぶりの北海道の旅ですが、最後の夜はやっぱり函館市です。

そのように図った訳ではありませんが…。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/160,F11,iso500]

 

…と、ここまでは車中泊の旅だったんですが、この日だけはホテル泊でした。

…と言いますのも、前日の室蘭市の車中泊で寝袋が破れてしまい、朝起きたら運転席周辺が綿だらけになっているという…。

そういう意味においては、この北海道旅行中唯一、時間の制約や縛りを意識する1日となりました。

それにしても、部屋が空いていてよかったです。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,8,F11,iso400]

 

室蘭市を離れるにしたがって雨は上がっていきました。

しかし、陽が明るいうちはとうとう函館山の山頂付近の霧が晴れることはありませんでした。

北海道の最後の夜を飾るのは函館山の夜景と決めていましたが、叶うかどうかは微妙な状況でした。

とりあえず、ロープウェイの終了時刻である22時を待って車で山頂を目指すことにしました。

それまでの間は、"坂の街"の歴史的建造物や教会群を観て廻ります。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,8,F11,iso400]

 

相馬蠎匆です。

大正年間の建築物なんだそうです。

 

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[α7iii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/30,F2,iso1250]

 

こんな感じの映画のセットのような建築物がそこかしこに並んでいました。

それも、普通に現役の商店や住宅としてありました。

函館ってこんなに異国情緒のある街だったんですね。

何せ四半世紀前の修学旅行の函館といえば、函館山の夜景しか記憶にありません。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,2.5,F11,iso1250]

 

八幡坂です。

有名なスポットかと思います。

私もブラタモリとか、TVとかで観たことがある景色でした。

しかし、こんなにすさまじい坂とは思いませんでした。

もっと緩やかな坂と思っていました。

この街を散策しようと思ったら、エンジン付きの乗り物は必須かと思いました。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1/8,F2.8,iso1250]

 

すぐ背後には函館西高校があります。

もう少し早い時間帯には生徒さんの姿も見られました。

こんな絶景を毎日前にして羨ましいと思う反面、毎日こんな坂を上り下りするなんて大変だなと思いました。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,3.2,F11,iso1250]

 

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[α7Sii,Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM,1/40,F2,iso2500]

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,5,F11,iso1000]

 

二十間坂です。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,5,F11,iso1000]

 

上の写真を撮った場所で"左向け左"です。

正面にカトリック函館元町教会を望みます。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,2,F11,iso2500]

 

その教会にぐっと迫ってみます。

そこに横断しているのは大三坂という石畳の坂でした。

 

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,4,F11,iso2500]

 

函館ハリスト正教会です。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,5,F11,iso2500]

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,5,F11,iso2500]

 

時刻は21時を過ぎた頃でした。

しかし、周辺には結構出歩いている人がいました。

私と同様、観光のお客さんのようでした。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,1.6,F11,iso1600]

 

坂を降りきったところの大通りは函館市電の走る通りです。

先ほどまで路面電車の走る姿を何度か見かけたんですが、この時間帯になって通りはひっそりとしていました。

この電車に乗降する人たちの横顔だとか、雪の中を走る電車の姿だとか、また別の機会に見ることが出来たらと思います。

もちろん、乗車もしてみたいですしね。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,10,F11,iso1600]

 

ひょっとして、函館山の霧が晴れなかったらどうしよう…。

という訳で、どこかに夜景スポットが無いだろうかと、坂道を上がれるだけ上がってみました。

山上大神宮からの眺めです。

 

引きすぎると電線や電柱や駐車車両なんかが入り込んでしまいます。

かといって、望遠ではご覧のような感じです。

うまくいきません。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,2,F11,iso2500]

 

時刻のこととか、これから函館山へ向かうことだとか、明日の起床時間だとか色々と頭を過りました。

かといって、魅力的な建造物群からはなかなか離れられません。

 

「これが最後」と、三脚を構えます。

函館市立弥生小学校です。

学校とは思えない風格と佇まいです。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1.3,F11,iso1600]

 

金融機関とか、行政の庁舎とか、そんな感じのする"校舎"でした。

 

1882(明治15)年創建。

昭和9年の大火後に鉄筋コンクリート造りの耐火建築で再建。

2010年に老朽化のために解体。

2012年に旧校舎の外壁を一部利用して新校舎に、、、というかなり複雑な経歴の持ち主です。

 

市の景観形成指定建築物に指定されているそうです。

外観のみ見学自由で、内装については公開されていないそうです。

こちらに通える児童の皆さんは幸せですね。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,1.3,F11,iso2500]

 

さて、時刻は22時を回りました。

函館山を目指す前に、レンガ倉庫の並ぶベイエリアへと寄り道です。

 

前述のとおり、四半世紀ぶりの函館市と言ったって、記憶にあるのは函館山の山頂とロープウェイくらいです。

この日、最初にやってきたのはこちらのベイエリアで、フロントガラス越しに倉庫群を観て「おぉ〜…」と喜んでいたところです。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,4,F11,iso2500]

 

この旅行中何度も思いましたが、地図で眺めるのと実際に訪れるのとでは随分と差があります。

いつもそうなんですが、事前のリサーチでは距離感や方向感覚がうまく掴めません。

旅行が終わってから改めて地図を見ると、距離感や方向感覚が旅行前とまるで違います。

今も、googlemapで"函館市"を見ると、旅行前にはできなかったイメージがたくさんできます。

このイメージが消えないうちに、また来たいと思います。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,10,F11,iso640]

 

そして、函館山からの夜景です。

残念ながら、山頂はとても濃い霧に覆われていました。

山頂からの帰路、少し広い路側帯に車を停め、そこから見下ろした"函館の夜景"です。

十分に美しい夜景でした。

 

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[α7Sii,Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM,10,F11,iso640]

 

その函館山ですが、山頂付近はものすごく濃い霧に覆われていました。

四半世紀前の修学旅行でクラス別に記念撮影した --- と思しき --- 場所へ行ってみたんですが、何も思い出せませんでした。

 

山頂までの道中、1箇所だけ下界の夜景を望むことのできそうな場所がありました。

しかも、狭い狭い道路がクネクネと続く道中にあって、唯一といっていいほどの広さの路側帯がありました。

例え山頂で何も見えなかったとしても、帰路にその路側帯から夜景を眺めることができると安堵していました。

 

その山頂付近ですが、とても濃い霧に覆われていると同時に強い風が吹いていました。

そして寒いくらいの気温でした。

そんな中、上半身裸になって奇声を上げて走り回る若者がいました。

その若者連中(4人)は軽自動車に乗って、私の前を走って下山の途に就いていました。

 

運転の稚拙さもさることながら、マナーもいただけませんでした。

私と同様、例の路側帯に車を停めたかったものと思うんですが、勘違いをしてウィンカーも出さずに道路の真ん中に停車すること数度。

温厚な私もパッシングしてクラクションでも鳴らしてやろうかと思ったところです。 

何なら、私の後ろに連なっていた3〜4台の皆さんにおかれましてもイライライしていたこととお察し申し上げます。

 

何度目かの"停車"の際に追い越させていただき、私は例の路側帯を見つけて"先端ギリギリ"に車を停めました。

私に続いて後続車も路側帯に停車しました。

最後尾に若者連中も停車できたようでした。

 

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[α7iii,FE 70-200mm F2.8 GM OSS,8,F11,iso640]

 

皆さんが夜景を楽しんでいらっしゃる間、若者連中の1人が呟くのが聞こえました。

「先頭で車を停めた人、神だな…」

 

まぁ、そのとおりです。

あれだけ狭くて曲がりくねって真っ暗な道で、路側帯を見逃さず、しかも後続の皆さんが停車できるように導いて差し上げたのですから。

一体、私を誰と思っているのかという思いでした。

もっと崇め奉っていただきたかったですね。

 

サクサクっと写真を撮り、さっさとその場を後にしたんですが、何の因果か、またしても若者連中が私の前を走っていました。

ただし、先ほどとは打って変わって丁寧な運転に変わっていましたから、後続が「神」と意識していたのかも知れません。

下山して大通りに面し、私が左折しようとした交差点を彼らは右折して行きました。

 

もう2度と会うことはないと思いますし、会ったか否かについて確認する術もありませんが、

この日この場所で得た経験を糧に、常に周囲の人に注意を傾けながら安全運転するよう励んでいただきたいと思います。

四半世紀ぶりの函館山道中はかくのごとく過ぎ去りました。

 

 

 

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